宮本輝「泥の河」 感想: 本: きたあかり日記
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宮本輝「泥の河」 感想

2017年05月22日

こないだ、NHKの SWITCHインタビュー達人たち って番組を見ていたら

作家の宮本輝さんが出演してまして。

宮本輝

アタシは驚いたね。だって、口元がアタシそっくりなんだもの。

アタシ、かなりの  へ の字 口 で、コンプレックス~なんですよ。

でも、テレビで宮本輝さんの へ の字 口を見ていたら、なんとチャーミングなことか!

その お口から次々と発せられる言葉の、なんと面白いことか!

へ の字 口 、悪くないなあ。ふっ。


ということで、宮本輝さんの代表作「泥の河」を読んでみました。

なんちゅ~動機なんでしょう。ちゅ~

泥の河_


SWITCHインタビュー達人たち で、宮本輝さんは


「書きたいことを 書かずに 書く」  、

余白で魅せる」

余白がないと、隙間がなくなって、観客(読者もか?)の心が入っていけなくなる」


そう おっしゃってました。

それは、いわゆる 行間を読む(読ませる)ということかと、アタシは

テレビを見ていて思いました。

確か、同じ番組で、市村正親さんも、似たようなことを、おっしゃってました。  

「観客の想像力を刺激するのが良い芝居。やりすぎてはイケナイ」


さて、「泥の河」を読んでみては、、、


その通りでした。


読者が、読者の心を思うように動かせるように、というか、

想像できるように書いてあるのです。

その心の動きは、スイスイっと動かせる箇所もありながら、

微妙に動けない箇所もあり、  (言葉にならないんだなあ)

さらには、動きたい、ああ、こう解釈したい、と熱を帯びる箇所もあります。


余白って、なんて気持ちいいの!



「泥の河」、昭和30年代の大阪が舞台です。

端建蔵橋のほとりの うどん屋の息子、8歳の信雄が主人公。

信雄は、ある日、小さな舟の家で暮らす 喜一と知り合います。

「昨日、(港橋の)岸辺に越してきた。

 お母さんとお姉ちゃんと、暮らしている」

そう言う喜一。

同年代の喜一と信雄はすぐに打ち解けます。


当時は、水上生活者が多かったそうです。

お父さんは、戦争の傷が原因で亡くなってしまったという喜一の一家、

お母さんが、その小さな舟で、客を取って生活しています。


ほとんどの人が貧しかった時代。死と隣り合わせのギリギリな暮らし。

その中でも特別に貧しく悲しい、喜一の家の暮らしが、読者の胸を突きます。


そして、喜一や喜一の姉、喜一の母親へ届けられる、

信雄の両親の、あたたかい人情を思わせる描写が、切ない。


うどん屋の客が、喜一の前で言います

「あれっ、こいつ廓舟の子ォと違うか」

「(この子の母親は)パンパンにしては、ええ女らしいで」

信雄のお父ちゃんは言います

「子供の前で、そんな話、せんといてや」

喜一は身構えています。とがった神経を肩口でいからせ。


客が去ると、信雄は、

”喜一の瞳に まだ鈍い光を宿しているカスミのような膜” を振り払いたく、

お父ちゃんに、とっておきの手品をせがみます。

「よっしゃ、きょうは特別サービスや」

お父ちゃんは手品を披露します。

喜一は、手品に夢中になり、目をおおきく見開きます。



その後、ちょっとしたきっかけで、信雄と喜一は仲たがいをしてしまいまして、、

そして、ラストです。


手品の場面では、たぶん、85%くらいの人が同じような感情を持ったと、

アタシは推察するのだけれど、

このラストシーンは、様々な解釈を持てるよう、書かれています。


でも、アタシね、もし、自分たった一人の解釈であったとしても、

そう解釈したいと、鋭くまでも切望してしまったのです。

余白に、強烈に、力いっぱい埋めたくなったのです。

物語りに、まんまと、はまりこんでしまったのでしょう。

ああ、どうしても、そういうことだってことにしたい!


と、この小説を読んだことのない方、どんなラストだったと思いますか?

書かな~い☆  余白のつもり。


                        余白になってな~い。宮本輝さんゴメンナサ~イ。





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コメント

あかりちゃん、薫子の青春時代のバイブルは森村桂さんと宮本輝なの!!!
宮本輝の本家に一杯あるよ
でも、今読んでないけどね
なんか、あかりちゃんと薫子気が合いそうね^^

“へ  の字  口”いいじゃないですか~(笑)
きっとチャ~ミングなんでしょね(*^^*)

“余白”イイですね~読者が少~しあると読者の想像力が増すような気がします(^_-)
ビッチリな文面は読みづらいしね(-_-;)
って言うことでおいらのブロクも行間広げましょうかね!?
って違う??(笑)

泥の河、映画もすごいですよー。
小説、『青が散る』と『春の夢』が好きです。

私も若い頃、宮本輝いっぱい読んだよ〜。
つかりこさんも書いてるけど、映画『泥の河』も好きでした。
よかったら観てみて〜。

泥の河

かなり前に読みました。でも手品のところが思い出せません。余白・・良いですね。映像が頭の中に描けますね。
また読み返してみようかな?

Re: タイトルなし


薫子さん へ

 ま~!
 薫子さんとアタシ、共通するところがありますね~
 読み聞かせもそうだし、気が合いそう。
 とはいえ、アタシ、宮本輝さんの本って、あんまし読んだことないの。
 これから読みたいと思ってます。

Re: タイトルなし


 がちゃぴんさん へ

 アタシの顔は、、、宮本輝さんのようには、、、
 でも、良い方に想像してくださってありがとうございます。

 ブログの行間ですか!
 がちゃぴんさんのブログは、明るくて楽しい気持ちになります。
 今のままでお願いします。なんつって。

Re: タイトルなし


 つかりこさん へ

 泥の河の映画、むか~し観たんです。
 でもすっかり忘れています。
 もう一度見たいと思います。

> 小説、『青が散る』と『春の夢』が好きです。

 読むべきリストに入れます!

Re: タイトルなし


 さとちん へ

 宮本輝さんの本、アタシ、ほとんど読んだことないの。
 これを機会に読みたいと思います。
 映画『泥の河』、つかりこさんへのコメ返でも書いたけれど、
 むか~し観て、すっかり忘れているので、
 また観たいと思います。

 

Re: 泥の河


 tugumi365さん へ

 短いので、すぐ読めると思います。
 ぜひぜひ、読んで感想を聞かせてください。
 ラストをどう解釈するか、tugumi365さんのご意見(?)を
 お聞きしたいです。

への字口‥そのまま口角上げると今流行りのアヒル口になってとてもチャーミングになりません??




‥無駄に余白を空けてみました‥

仕事では主観のはいる余地のない文章を書かねばなりませんし、そんな文しか目にしませんので、すっかり余白を読む感覚を忘れてしまいました。
私が最近趣味で読んでいる本は、「よく分かる物理数学」とかなので、これまた余白がない‥

論理論理だと息が詰まりますね。
余白を読ませる本に挑戦してみようかな‥

Re: タイトルなし


 つばめとそらさん へ

 アヒル口!
 やってみようか・・・・!
 
 今日のブログ活動中は、ずっとアヒル口でいるぞ!
 誰も見てないけど。←日中は家に一人・・・(`・ω・´)

 と、お仕事では、主観の入る余地のない文章であれば、
 主観がバリバリ入って良い文章を読むと
 癒されるかもしれませんね。
 ぜひぜひ、楽しんでみてください。

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