富樫倫太郎 「堂島物語」 感想: 本: きたあかり日記
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富樫倫太郎 「堂島物語」 感想

2017年06月02日

富樫倫太郎著「堂島物語」、

堂島物語_


全499ページ、重さ477グラム、  重さはあんまり関係ないか・・・ヾ(・∀・)ノ

堂島物語477グラム

長いお話なのに、面白すぎて一気読み

二日(昨日の午後と今日の午前中)で読みました。

この本は、tugumi365さんに教えてもらいました。ありがとうございます。

       tugumi365さんのブログ  →  はこだて散歩日和(パッチワーク日和)


↓ 厚みは三センチくらい。  あ、厚みもあんまし関係ないか・・( ̄^ ̄)ゞ

堂島物語 厚い


↓で、どんなお話かというと・・ あらすじは・・ 

**************************

江戸時代の享保年間、貧農の長男 吉左(きちざ) は、継母に疎まれ、

十歳で実家を出され、寺の小僧となります。

読み書きを住職に習い、そのまま僧侶になるのかと思いきや、

実家の父が病に倒れ、野良仕事をする男手がほしくなった継母は、

吉左を呼び戻します。

一度追い出した継子を、また呼び戻そうという継母の図々しい申し出に

住職は難色をしめしたけれども、吉左自身が

「病気の父を見殺しにできない」

と、家に戻ることに決めたのです。

そのまま実家で平穏な暮らしがおくれるかと思いきや、

またまた風向きがかわります。

三年ほどで、父親の具合が良くなってきたのです。

男手があれば、継母は吉左がまた邪魔になります。

自分の産んだ男の子、正吉に家を継がせたいという思惑もあります。

継母のイジメに、吉左はいる場所がなくなり、継母を憎みます。殺そうかとも思いつめます。

でも継母が死ねば、父親や、まだ幼い正吉やその下の妹が困ると考えなおし、

自分が死のうと川に飛び込みます。でもどうしても死にきれず、水面に顔を出したところ

正吉が吉左を迎えに来ていました。

「庄屋さまが呼んどるよ」

なんと、庄屋様は、吉左を堂島の米問屋に丁稚として奉公させる話を持ち出したのでした。

大人たちの間で、吉左を丁稚にする話は決まっていました。

「ま、なるようになるやろ」

吉左は覚悟を決め、大阪堂島の米問屋に旅立ちます。

右も左もわからない大都会に驚きながら、吉左は真面目に働きます。

朝は明け七つ半(午前四時)に置きだして風呂掃除に庭掃除。

朝ごはんを掻き込んだあとは、廊下と客間の雑巾がけ。

その後は台所を手伝ったり、巻き割をしたり、独楽鼠のように追い回されます。

そのうち、吉左は、自分のやりかたで、米商人としてのやり方を学んでいきます。

意地悪な先輩丁稚もいますが、親友とも呼べるようになる先輩丁稚の藤助は、

親切に米商いのことを教えてくれます。

「わしには帰るところはない。わしの家は堂島や。

一人前の米商人になって、堂島で生きるしかない」

自らに言い聞かせ、必ず立派な米商人になろうと心に決めます。

吉左は、徐々に「つめかへし」(米の先物取引)で頭角を現していきます。

堂島物語 二段組み

**********************


継母に疎まれ、自分の運命をあっちへこっちへと、勝手に決められていた

主人公の吉左が、追いやられた先の米問屋で覚悟を決め、

先輩丁稚にいじめられながらも、堂々と清々しく

まっすぐに生きていく姿に、アタクシ、切ないほど応援したくなり、

まるで自分が吉左の母親になったような気持ちで、冒頭読み始めました。


吉左は、自分のいる場所がない、という絶望的な状況に長く置かれていたのに

ひねくれていないの。とても素直なんです。

奉公先のご隠居さんや、親切な先輩丁稚の藤助の話をよく聞き、

丁寧に慇懃にながら、自分の思いも正直に話します。

また、人情を大事に するんですね。

上記のあらすじに、継母が死んだら弟妹が困るだろうって、吉左の思いを書いたけれど、

そんな風に、人を思いやるんです。

実家への仕送りに熱心です。自分を追い出した家なのに。


読み進んでいくうち、アタシ、吉左の運命に夢中になって、

まるで自分が吉左になったみたいになってしまいました。

両替商のいとさんに恋をして、何もかもを捨て、駆け落ちしようとするところなんて、

親友となった丁稚仲間、藤助らの応援に、自分が

「ありがとう。藤助どん」 :(´◦ω◦`):

と心で言ったくらいです。


運命に翻弄されながらも、自らの力で立ち向かい努力し、

明るく生き抜く吉左。朗々とした良い小説でした。


これぞ、物語です。


最高にお勧めです。長雨の季節にも元気になれることでしょう。



    追伸 : 気分は大阪堂島の丁稚になっているアタシ。
          夫にニセ大阪弁で話しかけそう。笑



↓   最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
     
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コメント

物語に吸い込まれていきそうな作品ですね(o^^o)♪
何となく“おしん”を思い出しましたo(^▽^)o
梅雨の長雨の時小説読むのもいいかもしれませんねヽ(´▽`)/
本日のおいら、朝から色々散策です!
とにかく人の多さでビックリですわ(笑)

コメントの編集

読んでみよっと。v-22

 面白そうですね。
 きたあかり様は、紹介する本がどんなに面白いか、紹介するのがお得意なんですね。
 今回も読みて~!!と思います。

コメントの編集

有難うございます。

堂島物語を紹介して頂き有難うございます。私も2日で一気に読みました。明るく前向きな吉左を応援している私がいました。”これぞ物語”その通り 読後いつまでもほっこりした気持ちでした。私のブログまで紹介して頂きありがとうございます。

こんにちわ^^

きたあかりさんの説明して下さった文章に
食い入るように読んでしまいました^^

すごく読みたくなりました!
純粋で義理人情を大切にしている姿は
見てて美しいですよね^^

素敵な本の紹介ありがとうございます^^

吉左は幸せになれるの??
気になっちゃったよ
読みたくなっちゃったよー!

素直って、何だっけ・・・??

Re: タイトルなし


がちゃぴんさん へ

 はい!長雨の季節に、さわやかな時代小説で
 すっきりしましょ~(^◇^)

> 本日のおいら、朝から色々散策です!
> とにかく人の多さでビックリですわ(笑)

 青葉通りも中央通も一番町も、
 平日でも人が一杯ですね~
 アタシが紛れ込んでいるかも、なんつって。
 散策、楽しんでくださいネ☆

Re: タイトルなし


 エルさん へ

 ぜひぜひ~
 感想をお聞かせくださいマセ☆


Re: タイトルなし


 ひねくれくうみんさん へ

 はい。すんばらしく面白かったです。
 あまりに面白いので、続編を読み始めました。

 紹介するのが得意??
 でもないのです~~~。(^^)/
 皆様のブログを見ていると自分の紹介がいかに稚拙か、
 わかります。
 でもいいの。それがアタシだから。

 そんな紹介で、ひねくれくうみんさんが「読みて~」
 と思ってくださったと思うと、嬉しい☆
 励みになります。

 「授乳」も読んでくださったもんネ
 ありがと~(^◇^)

Re: 有難うございます。


 tugumi365さん へ

 そうなんです。明るく前向きなんですよね。吉左。
 困難にあっても、明るく元気に工夫する。考える。
 応援したくなります。

 続編の「いのちの米」
 読み始めました。

Re: タイトルなし


 mauloa さん へ

 こんにちわ~いらっしゃいませ~☆

 説明文章を読んでくださりありがとうございます。
 あらすじの紹介は、気合を入れないと書けなくて・・・
 頑張って書いたカイがありました!
 
 ぜひぜひ、お読みください。
 元気になれる本です。

 主人公の爽やかさ明るさ、清々しいです。
 

Re: タイトルなし


 かれんさん へ

 アタシも吉左が幸せになれるか、気になります!
 続編を読み始めました。

> 素直って、何だっけ・・・??

 あれ?なんだっけ?
 この本を読めばわかるかも~(^◇^)
 なんつって☆

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