上演の演目を選ぶ難しさ その2
2017年08月07日
昨日の記事の続きです。その紙芝居勉強会、年に数回開催してくださっているのですが、
前回だか前々回だか、その前だか、に、アタシが読もうとしていた
某「津波防災に関する紙芝居」を、どなたかが上演されたそうなのです。
有名な紙芝居なので、やはり、読みたい人も多いでしょう。
上演後、話し合いの段になって、一人の女性から意見が出されたそうです。
(アタシは、その場にいなかったのですが、事務局の方からお聞きしました)
「私は、津波で家族を亡くしている。その紙芝居を見ると、悲しい思いが蘇り、つらい。
被災地では、その紙芝居は上演してほしくない」
震災の傷を大きく受けた方々にとって、津波の事を大きく取り上げ、
大迫力の絵が描かれているその紙芝居は、聞いていてツライことでしょう。
お気持ち、察するに余りあります。
傷口に塩を塗るようなこと、したくありません。
事務局の方も、そう思われたのでしょうか。
事務局の方はアタシに、丁重におっしゃいました。
「そういうことがあるから、その紙芝居の上演は、今回は遠慮してもらえないだろうか。
もう少し年月が経った後、もう数年後くらいに、お願いできないでしょうか」
とても残念ではありましたが、
アタシは、今回の勉強会にその紙芝居を読むのはやめました。
ただ、その紙芝居を、いつか子供たちの前で上演しようという気持ちには
変わりありません。
その、意見を出された女性のような、ツライ思いをされる方が
将来一人でも少なくなる、、、かもしれない、と思うからです。
津波とは恐ろしいものだと、子供の心の底に残るかもしれず、、
いつかの未来、逃げ遅れないですむかもしれず。
アタシの活動など、たかが知れています。
アタシが何を読もうと、どうなるものでもありません。
それは分かっているのですが、そうせずにはいられない、とでも言いましょうか。
選書は、非常に難しいです。
何に傷つくか、それは人それぞれだからです。
活動を始めた最初のころは、「お父さん」「お母さん」が描かれた作品は
読まないでいました。
震災で親を亡くし、親戚にひきとられた子供も、たくさん通っている小学校で
活動していたからです。
でも最近は、内容を吟味しながらではあるけれども、
少しだけ幅を広げるようにしています。
深く考えると、何も読めなくなるからです。
「お父さん」や「お母さん」を避けて、、、じゃあ、「おじいさん」や「おばあさん」はいいの?
犬や猫は?鳥は?
つい昨日、子供たちの誰かが、ペットに関して悲しい思いをしたかもしれない。
何に傷つくかわからない、と、深く思うと、何も読めなくなります。
どんな子供の心も傷つけたくない、明るく健やかに育ってほしい、
そう願う気持ちは忘れず、子どもたちにも通じてほしいと祈り、
試行錯誤は続きますが、また活動を続けます。
今回、この紙芝居が読めなかったことが、上演について、更に深く考える機会となり、
とても勉強になりました。事務局の方、ありがとうございました。
これからも考え続け、、、
血肉にしてみせます。
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コメント
すごく難しい問題ですね。きたあかりさんのおっしゃる事はごもっとも。生きてる人はこれからも生きていかねばならないのだから、また同じような事が起きたら、しっかりと自分で自分の身は守らなくてはならないのだし。それを伝えたいというのはその通りだと思います。
でもその声をあげた方の気持ちも分かります。それはそれは私などには想像しがたいつらく悲しい事実があるわけで、それに向き合うのはつらい事だというのは容易に想像できます。
どちらが合ってるとか間違っているという事ではないので、すごく判断に迷いますよね。でもきたあかりさんの思い、どこかで実って欲しいと思います。すごくすごく大事な事だと思うから。
こんにちは。
きたあかりさんのブログを読んでとても考えさせられました。難しい問題ですよね。
でも、生きている以上は、何も傷つかないで生きていくというわけにはいかないと思います。
どれが正解、というのはないと思うので、その時々に一番良いと思う判断をしていくしかないのかなあと感じます。
きたあかりさんの思い、時間はかかってもいつか実を結ぶ時が来ると信じてます。
うーん、確かに難しいですね。
臨床心理士の方も言ってました。
「人はほんのちょっとのことで傷付く」 って。
ブログをやっていても、自分の書いたことが知らない間に人を傷つけているかもしれないって、思うこともあります。でも。それを言い出すときりがないんだけどね。
傷付く、引っかかる、ってのは
そこに自分の傷がある事を再認識できるいいきっかけになることもあるけれど、危なくて難しいよね。
来月からNHKで、朗読がテーマのドラマが始まるそうで。(竹野内豊
主演)きたあかりさんのブログで朗読の世界をちょっとだけ知って、興味がわいちゃった!
私の場合!
いつもご訪問ありがとうございます、
私の母ですが 昨年 熊本地震で 多少ですが 被害に合いました、 一人暮らしで 怖いと 何度も 電話して来ました、 夜だったので 余計でしょう、周りは 畑 田んぼで 壊れる物は ありません、 が お墓が 壊れました、 風呂場も 壁が ヒビだらけです、
トイレが2か所 あるのですが 東側が 使えなくなりました、
地震の度に 壁の土が 落ちて来ます、
古い家なので 仕方がない事です、
毎日のように 地震で 怖い思いをして ・・・
その時から 以前よりも ☎の回数が 増えて 内容は 料理の仕方とか なんで?
思うような事でしたが この頃から 痴呆症が 始まったのではと 思っています、
その当時は 気づきませんでした、
今は 介護2です、
時々 何度も 電話掛けては 切ってます、
もう 使い方も 忘れて来ています、
いやな思い出でしょう、 本人はほとんど 記憶がありません、
まだ 地震は 続いています、
私は 記録として 残してほしい!と 思います、
まさか こんな怖い目に合うなんて
思いもしません、
母の事で すみませんでした、
いつの日のか きたあかりさんの 心に もっと 明るい光が灯りますように 願っております、
支離滅裂で ごめんなさいです、
いつもありがとうございます、 たか
う~む、困った問題だ
かく言う私も言われて嫌な言葉はあった。
「子供はまだ?」
も、そうだったし、ガンと分かってからは、
「癌治療、頑張ってください!」
も嫌だったな。
今は素直に聞けない話も、時間が過ぎれば、また変わって来るかも知れないね。「いいお話」って確かにあるんだもの。
きっと経験した人には辛い思い出
それは何者にも代え難い辛い思い出だと思います。
でも震災を知らない世代が増えてるのも事実です
おいらがこちらで仕事してても、震災が起こったなんて信じられない感じです
是非そんな知らない世代の子供たちにあかりちゃんが津波の怖さ震災の怖さを伝えてください・・・・
活動頑張って!ヽ(´▽`)/
難しい問題ですね。
誰がどんなことに傷つくかなんて本人じゃないと分からない・・・いや、
本人だって思ってもいないところで傷つくことだってあるわけで。
ただ、今回のような場合は避けた方がいいですね。
一人でもイヤだという感情を持つ人がいるのでしたら
別の機会を待つのが思いやりというもの。
個人的には、あかりちゃんの「津波防災に関する紙芝居」をやりたい
という志は、とっても共感します☆
やめて正解だと思います
きたあかり様
こんばんは。
津波の話はやめて正解だと思います。
きたあかり様の考えも一理あるのですが所詮被災者ではありませんから心のダメージを想像するのは無理です。
やはり家族を亡くされている人の気持ちは家族を亡くしたものでないと完全には理解できません。
事務局の人はやんわりともう数年後くらいにと言ってくれましたが数年後にも同じことを言われると思います。
今日は笑いがなくてすみません。
愛新覚羅
読んでくれるなという方も、語り継がれることが必要な方も、それぞれいらっしゃることでしょう。
被害の大きな場所では、前者の方への配慮がより優先されることはやむを得ないことでしょう。
後者の方へ語り継ぐのに、別の機会なり場所はありませんか?
おはようございます
そういう理由だったのですね
事務局の方がきっちりお話して下さったので、良かったです
人には様々な思いが有り
それを受け止めるのは難しいですね
「父」「母」のお話は
私も悩みました
悩みながら自分なりの答えを出して
前に進んでいます
選書は難しいですね。
Re: タイトルなし
まりんさん へ
はい、難しい問題です。
まりんさんのおっしゃるとおりで、どちらが合ってるとか間違っているという事ではないのです。
傷ついた人々のお心には寄り添いたいし、
子どもたちに防災意識を持ってほしいとは思うし。
でも逃げないで、周りの状況を見ながら、
また、この事務局の方々や、読み聞かせ仲間の意見をお聞きしながら、
考えていきたいと思っています。
答えはみつからないかもしれませんが。
実って欲しいとおっしゃってくださり、ありがとうございます。
活動を続ける励みになります。
Re: タイトルなし
hummuさん へ
はい。とても難しい問題です。
hummuさんのおっしゃるとおりで、正解は無いと思うので。
突き詰めれば、誰もを傷つけないなんて、無理なんですよね。
でも、逃げないで考え、また、周りの方々に相談しながら、
活動を続けたいと思います。
時間はかかってもいつか実を結ぶ時が来ると信じていると
おっしゃってくださり、ありがとうございます。
将来、状況が変わってくるかもしれず、
また、自分が変わるかもしれず、でも信じて頑張ります。
Re: タイトルなし
かれんさん へ
私も、ブログ活動で自分の書いたことが
誰かを傷つけていることがあるかも、と思うことがあります。
辛辣なコメントをいただくと、特にそう思います。
「そんなつもりじゃあないのに、文章が悪かったかしら・・・」
でも、自分もそうで、、
「それは違う、ひどい」
と思うこともあるんですね~。
人それぞれ、弱点が違います。
何度も訪問させていただき、また、訪問していただいてコメントをいただいていると
その人の個性がわかり、だんだん、受け入れていけるんだけどね(^^♪
そして、朗読がテーマのドラマですと!
知りませんでした~情報ありがとうございます!
絶対観なくちゃ☆
しかし、朗読って流行っているのかしら?
Re: 私の場合!
たかさん へ
お母様、よっぽど怖い思いをされたのですね。
お見舞い申し上げます。
たかさん、とても心配されたのではないでしょうか。お察しします。
自然災害とは、恐ろしいものです。
> まだ 地震は 続いています、
> 私は 記録として 残してほしい!と 思います、
> まさか こんな怖い目に合うなんて
> 思いもしません、
残してほしいとおっしゃる方もいらっしゃる。
人それぞれ、様々な思いをいだかれる。
勉強になります。
>
> 母の事で すみませんでした、
とんでもないです。心に刺さるお話でした。
>
> いつの日のか きたあかりさんの 心に もっと 明るい光が灯りますように 願っております、
大丈夫です。明るいです。
将来にむけ、目標があるのは、ありがたいことです。
> 支離滅裂で ごめんなさいです、
>
> いつもありがとうございます、 たか
こちらこそ、へたくそな文章を丁寧の読んでくださりありがとうございます。
いつもありがとうございます。
Re: タイトルなし
ひねくれくうみんさん へ
言われて嫌な言葉って、ありますね。
「子供はまだ?」
アタシも散々言われました。
3年 子なしは離縁できた昔は良かった、と姑に言われたときは
どうしていいかわからなかった~
ガンと分かってからは、
> 「癌治療、頑張ってください!」
> も嫌だったな。
周りは、どう声をかけていいのかわからず、つい言ってしまったのかも。
> 今は素直に聞けない話も、時間が過ぎれば、また変わって来るかも知れないね。「いいお話」って確かにあるんだもの。
そう!
今すぐに結論を出させようとはせず、時間をかけ、
押したり引いたりしながら、様子を見、
自分も考え、人の意見もききながら、と思っています。
時間が経つと、社会状況が変わり、世論が変わってくると
人の考えが変わる場合もあり~
ありがとう。
Re: タイトルなし
がちゃぴんさん へ
応援ありがとうございます。
アタシも、震災を知らない子供たち、
5年後、10年後の小学生たちには、伝えるべきだと思います。
そんな自分の思いを、周りの諸先輩方に相談し、
考えを聞き、また自分も考えて、今すぐではなくても、
形にできたらと思います。
答えはないのかもしれません。
自分も考えが変わるかもしれません。
でも、今は逃げないで考えたいと思います。
震災が起こったなんて信じられない、、、
そうですよね。
アタシが住んでいるあたりは、被害が少なかったのもあり
風化しつつある気がします。
Re: タイトルなし
さとちん へ
今回は、「イヤだ」と、はっきりと意思表示される人がいらしたので、
さとちんのおっしゃるとおりで、
それを無視して、無理やり、その紙芝居を聞かせるのは
人道上、できません。
別の機会、事務局の方は数年後とおっしゃってくださいましたが、
もしかしたら、その機会も来ないかもしれないですね。
でも、結果として読まないにしても、
そういった問題をどうするか、考え、また、諸先輩方の意見を聞くのは、
有意義と考えます。
> 個人的には、あかりちゃんの「津波防災に関する紙芝居」をやりたい
> という志は、とっても共感します☆
ありがとうございます。
今すぐ答えは出なくても、もしかしてずっと出なくても、
志は持っていたいと思います。
Re: やめて正解だと思います
aishinkakuraさん へ
今回は、アタシも「やめて正解」と思います。
将来も、教授のおっしゃるとおり、事務局の方から同じことを
言われるかもしれません。
でも、考えることはやめず、諸先輩と相談することもやめず、
活動していきたいとは思います。
答えは出ないかもしれないけれど。
確かに、心のダメージを想像するのは無理ですしね。
将来 もしかして
「あなたの読む”津波防災物語”なら聞いてみたい」
という意見が出るかもしれません。わかりませんが。
読む力をつけます。精進です。
> 今日は笑いがなくてすみません。
いや、教授にいつも笑いを求めているわけでは・・・( `ー´)ノ
Re: タイトルなし
つばめとそらさん へ
> 後者の方へ語り継ぐのに、別の機会なり場所はありませんか?
あります!
普段、活動している小学校!
今はまだ、子供たちのなかにツライ体験をした子がいるかもしれず、
自粛しますが、5年後10年後となれば
読めると思います。
今回の紙芝居勉強会は、その時のための技術向上を願ってのことでした。
技術向上は、ほかの方面で出来るかもしれず・・・
と、今、あれこれ方策を考え中です。
粘り強い東北人なアタシです。
Re: タイトルなし
nohohonさん へ
nohohonさんも「父」「母」のお話で悩まれましたか!
アタシも悩みました。
でも、お父さんお母さんの出てくるお話、多いですよね。
それを読まないとなると、、、
かなり制限されます。
考えると、何もかも読めなくなる感じ。
「遠足」は楽しいって話だって駄目
「かけっこ」を頑張る話だって駄目。
選書は難しいです。
nohohonさんのおっしゃるとおりで、
自分なりの答えを出して進んでいくしかないですね。
事務局の方、きっちりとお話くださり、感謝しています。
とても勉強になりました。
人に誠意をもって接するということも学びました。