「脱住宅 これからもずっとこのまちに住みたいですか」
2018年09月26日
哲学者 鷲田清一氏が、建築家 山本理顕氏 と「脱住宅 これからもずっとこのまちに住みたいですか?」と題して
社会の課題について対話する時間。まあ、ひらたく言うとトークショーですね。
そんなイベントに行ってみました。哲学者と建築家のお話、面白そうよ!

案内のチラシにはこうありました。
「賃労働がこれからも最も有効な働き方なのだろうか。今の「一住宅=一家族」モデルが
唯一の居住形式であるという考え方はこれからも有効なのだろうか。もしそれが
すでに有効性を失っているとしたら「一住宅=一家族」に代わる私たちの未来の
居住形式はどのように設計できるのだろうか」
イベントは最初、建築家の山本理顕氏のお話から始まりました。
氏は、とても一生懸命にお話されていらっしゃるように見えました。
社会問題 (介護、子育てなどのことか?
イベントではあまり取り上げて話されなかった)が
一家庭に直接負担かかってくる今の現状を打破するためには
複数の家族が一緒に共同体をつくる ことが有効である。
戦後賃労働者という概念が広く普及し、故郷に残り、家業を継ぐより
都会に出てサラリーマンになる人が増えた。
それは、集団で相互扶助しあうことが失われる、孤立現象へとつながっていった。
住宅についてもそうで、一家族一家族が他から孤立するようになった。
また、、住宅について考えてみると、
住宅の中はプライベートな空間、住宅の外はパブリックな空間と
多くの人に認識されているようだが、
しかし、本当に、住宅の外はパブリックな空間だろうか。
実は、住宅の外は、官僚国家によって支配されている空間である。
家庭ごとに孤立し、一歩外に出れば、そこは支配されている空間。
それでいいのだろうか。
住宅の中でもない、住宅の外でもない、自分たちの自由な空間を作ろう。
自由な空間を持つ、自由な自治共同体を作ろう。
で、住人だけが入れる自治空間を備えた住宅団地を作ったのが、これである。
内側の空間が、自分たちだけの自由自治空間である。

↑ 画像お借りしました
短い時間で、山本理顕氏の考える、広大かつ深淵、さらには緻密な理論を
説明されていらっしゃるものですから、アタシ、ついていけていないかもしれませんが
大体、上記のようなことを、鷲田精一氏とともにお話されていたかと思われます。
アタシは思いました。
住人たちによる自治地域、アメリカのゲィティングシティみたいな、は、
皆の考えをまとめるのが、ひじょ~~~に大変ではないかと。
例えば、氏の設計されたそこでだって、氏は、中庭で子供たちがスポーツをして
楽しんでいるとおっしゃったが、世の中には、昼間寝ていて夜仕事をする
生活形態の人もいるわけです。昼間は、とにかく、静かにしてほしいのです。
そんな、少数意見をどうするのか。
また、自治空間の掃除はどうするのか?掃除はどの程度行うのか?
人それぞれ、どこまで掃除すれば綺麗と感じるかは違うのです。
植物を植えたいと言う人もいれば、植物の手入れは苦手という人もいます。
なら、管理会社に委託するのか?その費用はどうするのか?
トークショーでも、自治組織の運営における作法について、その難しさが
取り上げられました。
アタシは、これからの住宅の在り方についての上記についてなどの結論、
それを求めたいというよりも、
この、山本理顕氏の考え方の自由さ、発想力に強く心ひかれました。
建築、そう、この日は、住宅、に特化してのお話でしたが、
一般的な住宅というのは、一般的な人々の生活の単位を、住宅メーカーが
仮定して、作られているのです。
親がいて子どもがいて、おじいちゃんやおばあちゃんがいる家もあって、一家族・・・。
でも、そうじゃない暮しも、選択肢として持てること。
生き方を、決まり切った形に切り取らない自由な発想。
社会情勢に対抗するには、既成の概念を壊してもいい、というか、壊したほうがいい。
当たり前にメスを入れるって、アタシは大好きだわよ。
氏の著作を図書館で借りました。

ということで、まだ、その本は読んでる途中。
難しいのだけれども、読了が、もしできたら、記事にしたいと思います。
このイベント、普段の当たり前の暮らしに、当たり前の発想で、
かたくなってきたアタシの頭にカツを入れる、素晴らしい体験でした。
ちなみに、入場無料よ! い~でしょ~ (´ω`人)
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コメント
難しそう
自由自治空間 興味がありますが、もう何十年も前の「暮らしの手帖」の記事で 何人かで土地を購入して その中に住宅を建てて暮らす・・・・あかりさんの記事を読んで 「あの人たちは今?」どうしているか気になりました。本の感想をお待ちしています。
学生時代なら
きたあかり様
こんばんは。
仲間同士による共同生活は学生の頃ならできそうな気がします。
しかし全員学生です。
そんなの無理ですね。共産主義国だって住むのは家族単位です。
ペットは人間でもないのに一緒に住めますが他人は何で一緒に
住めないのでしょうね。
愛新覚羅
凄く興味のあるお話です。
1住宅1家族。
1家族と言っても、今の1家族は昔の1家族ではありませんからね。(せいぜい親子まで。)
親とは一緒に暮らしたくないのか?暮らせないのか?
だから新しく家長となった人は家を買うために長いローンを組んで買う。
幸せの考え方も変わってきているのでしょうか。
続きを、又聞かせてください。
自由
どんな形の自由にも、伴う責任が付属しているものです。
似通った組織に ” 村 ” があるように思いました。(現在でも田舎では生き残っている空間です)
家の外は、国家ではなく自治空間ですが、それなりの心構えが必要の様です。
沢水の扱いや共同作業、祭りや共用部分の管理など、キマリほど厳しくはないのですが、自ら守る意識で構成されているようです。
そんな風に考えると、一番の問題は構造物よりも住む人の意識にある様に感じられるのです。
多くの人の協力を壊すのは、ほんの少しのエゴで十分な人の社会ですから、理想をつくりあげるには、出来あがるモノの何倍ものエネルギーが必要なんでしょう。
出来あがったら、どんなに素敵でしょう。憧れます。
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新しい方面の扉をひらいて見る。
いいですねえ
せっかく生まれたのですから
いろんなことに接してみる!!
そのきたあかりさんの行動的なところ
住み慣れたところが一番と思いますが、今の所はできるだけ早く移り住みたいなど思っております。
そのうちに面倒になって、ここに死ぬまでいるかも。
ミイラ化した老婆発見!など。
Re: 難しそう
tugumi365さん へ
暮らしの手帖のその方々は、土地を共有名義にしたのでしょうか?
相続などが発生していたら、大変そうですね~。
また、昔の村では、村の家々の当主共有名義で土地を管理していたりも
したようですが、そこに道路(国道とか)が通ることになると、
大変だと聞いたことがあります。
アタシは、自由自治空間 というと、アイヌの「コタン」を
思い出しました(*^-^*)
Re: 学生時代なら
aishinkakura さん へ
山本理顕さんは、絵本も出版されていて
(絵もご自分で書かれている)(うまいです)
それには、家族ではない人同士が一緒に暮らして描かれています。
でも、教授と同じで、アタシも、家族ではない人とは
一緒に暮らせないです~。
アレコレ気を使って疲れそう。(@_@)
Re: タイトルなし
chococake55 さん へ
興味のあるお話とおっしゃってくださり、
ありがとうございます。(^^)/
幸せの考え方が違ってきている、確かにそうだとアタシは思います。
親と一緒に暮らしたいと思う人もいて、
親と一緒に暮らしたくないと思う人もいて、
今の時代は、それぞれ、自分の意志が通そうと思えば通るようになってきたのかと
アタシは思のですが、
その、人生の選択肢が増えることが、幸せだと思う人が多いのでは?
続き・・・
本はとっても難しいのですが、頑張ります!
プライベートとパブリックの違いを決定的に定義づけするためには
それぞれの空間わけが有効である
ということについて 10ページくらい かけて説明してくれます・・・う~ん。
Re: 自由
マーニさん へ
おっしゃるとおりで、自由、このトークショーで言うことの
自由自治空間の運営には、心構えが必要のようです。
トークショーでも話題になっていました。
住人同士の 作法 がとても重要になってきているって。
アタシはそこで思ったんです。
その 作法 を守らなければならないということは、
もはや 自由 とは言えないのでは?って。
今、本を読んで勉強中ですが・・・難しくて・・・
読破するには時間がかかりそうです。(@_@)
Re: 興味
鍵コメさん へ
おほめ下さりありがとうございます。
でもアタシ、、、あれこれ知りたい、あれこれやってみたい の人で
どれも身につかないのです・・・
まあ、これが自分なので、それはそうで良いかなあ。な~んてね☆
Re: タイトルなし
エルさん へ
扉が開いてくれているって、とても嬉しくありがたいことです。
運命に感謝です。
な~んて、大げさだなあ。
たまたま、チラシを見て、面白そうだから行ってみただけ。
この 鷲田清一さんの本を下子が読んでいたことがあって、
覚えていたのでした。
誉めてくださりありがとうございます。
Re: タイトルなし
ひねくれくうみんさん へ
え?今のところに住み続けることにされたのでは?
でも、本心は、ほかに移りたいってことでしょうか??
納得して住みたいですよね。
毎日そこで暮らすわけですから。
アタシは、そ~さなあ、今住んでいるところも気に入っているけれど、
関東と北海道に一戸ずつマンションが欲しいなあ。
(宝くじでも当たらないと無理!)
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