山田あかね「まじめなわたしの不まじめな愛情」
2019年04月17日
敬体でずっと書かれている文章の中にふと常体が入ってきて、ソーメン食べてたら数本だけウドンが入ってた、みたいな気持ち悪さがありました。内容がまた、その気持ち悪さにぴったり☆
主人公は蒼井しずか38歳。フリーのライターを生業にしています。しずかは、女性誌の仕事で、大手広告会社の社員、下辺勉38歳と出会います。下辺勉は、しずかの記事を映像化したいと言ってきました。国際的な大きな賞をとったこともある名のある男、地位のある男、甘い容姿の男である下辺に、「一緒に仕事がしたい」と言われ、しずかは夢中になります。下辺は魅力的な言葉でしずかを包みます。「おまえに初めて会ったとき、風を感じたんだ」「おまえと出会えたのは運命だよ」
しかし、一緒に暮らし始めると、下辺は、ひどい男尊女卑主義者で、暴力をふるい、別れた妻の自慢話ばかりするデリカシーの無い男で、しかも、違法な薬の中毒者でした。しずかは、下辺を病院に連れて行きます。そこで、状況を把握した医師にしずかは言われます。下辺は薬物依存症だ。そして、しずかは、そんな下辺に依存している。お互いに依存しあっている今の関係を断ち切るべきだ、別れるべきだ。
「ある中の夫には、しっかり者の世話女房がついているものなんです。私がいないとこの人はだめになると言って、その男の依存症を支えているんです。下辺さんは、薬物依存症ですが、構造は同じです。あなたはすでに仕事を放って、彼の世話に夢中になり、彼のことばかり考えている。依存症の患者は必ず、まわりを巻き込むんです。彼は薬物に依存し、あなたは彼に依存している。依存しあって、深みにはまっていくんです」
下辺は入院し治療を始めます。やがて退院しますが・・・。
男の甘い言葉に、なんだか怪しいなあと思いながらも、誘惑され深みにはまっていく様子が切なくて、
わかっていても、恋から離れたくない女心をすごくよく理解できて、
善悪では確立できない人間の欲望を、憎みたいけれど愛おしくなるような、自分のいやらしい部分をみせつけれれる。そんな複雑な小説でした。
小説の最後のほうで、しずかは言います。「私が下辺に惹かれたのは、その絶望でした」
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コメント
女心
きたあかり様
こんばんは。
この辺の女心については理解出来ません。
まだおこちゃまですから。(笑)
愛新覚羅
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私なら絶対にそんな男、選ばないとは思っているけど、どうなんだろう。
私も今は一応独身なので、そんな男に引っかからないように気を付けます。
Re: 女心
aishinkakuraさん へ
教授、これからではないでしょうか。
ご理解、きっと数年後にはバッチリです。(^^)/
Re: 絶望
鍵コメさん へ
絶望、難しいですね。
最後、彼女は、駄目男から脱します。
でも、それが幸せなのかどうか・・・う~む。
Re: タイトルなし
ひねくれくうみんさん へ
アタシも気を付けます。
あ、アタシ、夫がいるんだった!
↑冗談です(;^ω^)
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Re: 変化
鍵コメさん へ
ご心配いただき、ありがとうございます。
そして、スミマセン。
更新頻度は低いですが、アタシは元気です(たまにお腹痛いけど)
もともと、更新をたまにサボる癖がありまして・・・汗
鍵コメさんも、元気にお過ごしくださいね(^^♪