泥水飲んで 「みおつくし料理帖」の又次 がカッコいい
2020年04月14日
今朝、洗濯物を干していた時、すぐそこのマンホール蓋に溜まった水を、熱心に飲んでいる猫を見つけました。あの毛並み黒白の具合を見ると、近所のアパートで飼われている猫と思われます。あんな泥水を飲まなければいけないくらい、飼い主に水をもらえていないのでしょうか?いやいや、そうじゃなくって、猫って、マンホール蓋の水を、この上なく好きなものなのかな??以前、当ブログでも紹介させてもらった高田郁著「みをつくし料理帖」の登場人物、又次を思い出しました。
又次は吉原の遊郭、翁屋の賄い料理人であり、用心棒のような役割も担っている設定です。ひょんなことから、ヒロインである澪が働く料理屋「つるや」の料理を手伝うようになります。
自分の生い立ちのことはあまり語らない又次でしたが、ふっと
「(俺は女郎屋で)泥水飲んで生きてきた」
ともらしたシーンがありました。
彼は、人間性を破壊されるほどのヒドイ仕打ちを受けながら、貧しくとも歯を食いしばって生きてきたのでしょう。
遊郭の雇われ料理人であり用心棒ですから、目つき鋭く、場合によっては、殴る蹴るなど、恐ろしい行動をとることもある又次ですが、「つるや」で働くうち、穏やかに柔らかい面も見えてきて、下働きの娘、ふき に料理の手ほどきをするようになってきます。ふきは両親に死に別れ、借金を背負っています。小さい弟がいますが、弟は奉公に出ています。ふきが料理の腕を磨き、それで身を立てることが出来れば、借金を返し、弟と一緒に暮らせるようになる、又次は、そう思ったのか、ふきに、一(イチ)から料理を教え込もうとします。
料理の腕良いのはもちろん、彼は人間関係の機知にも富み、控えめながら守るべき弱い女性は誠実に守ります。褒められるのは苦手だけど、澪やふきの料理が良ければ、きちんと褒めてあげます。
泥水飲んで育ったって、誠実で素直で優しい人間になれる、悲惨な前半生だって、絶対に卑屈な人間になるってわけじゃないって、思わされて、「みをつくし料理帖」の登場人物の中では、アタシは、又次が一番のお気に入りでした。又さん、超かっこいいのよぉ♡
しかし、しかしですね、アタシは、作者の高田郁さんに文句言いたいのよ。(♯`∧´)
ネタバレなんですが、又次は、物語の途中で、死んでしまうのです!火事で。ちくしょ~なんで又次を殺しちゃうのよぉ。頭に来たので、又次が亡くなってしまってからの続きは読んでいません。か~!大体、みをつくし料理帖は、家事とか水害とか疫病とか、不幸が多すぎるのよ。韓ドラか!
そんでもって、宮部みゆきさんの時代小説に浮気よ!き~!o(o・`з・´o)ノ
↓ 最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
ランキングに参加しています。
よろしければワンクリックお願いします。


コメント
きたあかり様
こんばんは。
猫が泥水を飲んでいることから随分と発展しましたね。
ストーリーは知りませんが又次は格好いいですね。
料理人は包丁を扱うせいでしょうか。
ドラマの登場人物となることが多いですね。
大抵は実直で頑固者です。
イメージとしては高倉健さんのような無口な男。
そして曲がったことが嫌いで不利人なことに我慢に我慢を
重ねた後で切れてしまうのですよね。
そして網走の番外地へ。
すみません。勝手な想像でした。
愛新覚羅
Re: タイトルなし
aishinkakuraさん へ
おお、教授の想像力も素晴らしいですね。網走の番外地へ、ですか。う~ん、昭和の匂いがぷんぷんしてきますね。
確かに、又次は高倉健さんのような感じです。
ったく、作者は、どうして死なせてしまったのでしょうか!
できれば、死なないでいてほしかった。
そして、扇屋への義理を果たしたあとは、料理の腕で小さい小料理屋なんぞを開き、美味しい料理と実直な人柄で地域の人々に愛され、後には、うんと美しい女性と恋におちて結婚、かわいい子供に恵まれ、そして孫にも恵まれ、孫を抱っこしながら縁側で昔を回想、庭には、桜が咲いている、ああ、あの吉原の桜を思い出すなあなんていうことになって・・・
あれま、またまた発展しすぎ?
>大体、みをつくし料理帖は、火事とか水害とか疫病とか、不幸が多すぎるのよ。
そうですね~。澪もせっかく周りからのおぜん立てで愛する人との縁談まで持ち込んだのに、そのまま結ばれるかと思いきや、別れて料理人の道を歩むことを取りました。又次の死も作者の意図するところが含まれているのでしょうね。
あぁ、みをつくし、全部一気に読みました!
きたあかりさんは又さんなんですね。
私は、小松原さんに心切なくなっています。。。。。
さて、高田郁のほかの本も借りて読もうかと思ったら、図書館が閉鎖になってしまいました。
私も、宮部みゆきの時代小説好きです(^^♪
そうなんですよ、きたあかり君
又次は火事で死ぬのです。熱いだろなあ。何でいい人が幸せにならないんだ!バカヤロ~!!と思います。
宮部みゆきさんの時代小説は、勧善懲悪、いい人は必ず幸せになりますか?そっち行ってみよう!
Re: タイトルなし
nohohonさん へ
そう!恋する人の身内から望まれ、結婚するかと思いきや、料理人の道を選ぶ澪ちゃん。その後、彼が他の女性と結婚したことを知り、ショックで味覚と嗅覚がなくなってしまいます。。。自分から別れを告げたのに、それはちょっと、、、。気持ちはわかるのですが、度重なる不幸に、ゲンナリしてしまいました。コロナ騒動で暗い世の中、明るい本を読みたくなってしまいました・・(@_@)
Re: タイトルなし
みのじさん へ
小松原さん、良い人ですよね~。澪の立場が悪くならないように、自分の方から断った形にするあたり、泣けるわ。
みのじさん、一気に全部読むとは、すごい!10巻くらいありますよね!
図書館閉鎖は悲しいですね。仙台は、ネットで予約すれば、カウンターで受け取ることができます。今のところは。今後、閉鎖されるかも。とほほほ。
> 私も、宮部みゆきの時代小説好きです(^^♪
今、「ぼんくら」を読んでいます。明るくていいわ~(^o^)丿
Re: そうなんですよ、きたあかり君
ひねくれくうみんさん へ
宮部みゆきさんの「ぼんくら」というのを読んでいます。そちらは明るくって、不幸はあるにはあるのだけれど、時々、フフフと笑えるところがあって、面白いです。今、世の中コロナで暗いので、小説くらい明るいのを読みたいですね!
え~、又次死んじゃうんですかっっ?!
すごいショックです。
あ、ドラマでしか見たことがないですけれど。
少なからず、衝撃です💦
Re: タイトルなし
ウーロンパンダさん へ
きゃ~ネタバレしちゃってごめんなさ~い。
原作では死んじゃうんです・・・。
残念ですよね。
あ、でも、テレビでは死なないかも!