「文豪と借金」って本を読みました: 本: きたあかり日記
fc2ブログ

トップ  >    >  「文豪と借金」って本を読みました

「文豪と借金」って本を読みました

2020年06月04日

「文豪と借金」って本を読みました。

文豪と借金


太宰治、石川啄木、芥川龍之介、樋口一葉、などなど、名だたる文豪たちが、知人に借金を申し込むために書いた手紙の文章を集めたもの、と思って図書館から借りましたが、読んでみると、日記あり、作品とした小説内の一節ありで、ちょっとガッカリでした。
林芙美子んところは「放浪記」の一部なのよ。ううむ。
自分の思い込みです。いかんなあ。

でも、古今亭志ん生のトコは面白かった。
志ん生が自らの人生を語った「びんぼう自慢」という本からの抜粋のようです。

良い笑顔h

志ん生がまだ、馬きんって名前で出ていたころ、上野鈴本(演芸場)の大将が、ある日
「どうだい、そろそろ看板あげたら (真打になったら、の意) ?」
と言ってきたもので、
「金がない」
と断ると
「用立ててあげるよ」
と、ポンと200円も貸してくれたそうなのです。

真打披露には、着る羽二重の着物や袴、羽織、それから、くばりものの手ぬぐいや扇子を用意しなければならず、相当なお金がかかるのを、大将が貸してくれたってわけ。

それ持って、呉服屋行けばいいものの、そこは志ん生ですから、その足で 吉原行っちゃったって。案の定、バクチにお酒ですっからかんになった彼。本番に寝間着みたいなナリで登場すると、大将はビックリ。そこで志ん生の言いっぷりが面白い。

「旦那のほうから勝手に貸してくれた金でしょう。今頃あるわけないでしょう」
「アタシは、噺家だ。ナリを見せるんじゃない。芸できかせればいい」

啖呵を切った手前、満員の観客の前で、うけなかったら負けだ、かっこ悪い、と、死に物狂いでつとめると、立って帰る客は誰もいなかった。次の日も大入り。

「なあに。芸人さんから金をもらおうたあ思わないよう」
大将は、お金を貸したことなど、すっかり忘れたような顔してたそうな。


はははは。

借りたお金は返さなくちゃダメでしょう。そんな常識を超えてしまうほど、志ん生の芸はすごかったのでしょうか?良い時代だったのもあるんだろうけれど、破天荒な芸人さんらしい逸話で、興味深く読みました。





↓   最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
     
     ランキングに参加しています。
     よろしければワンクリックお願いします。

スポンサーサイト



このページのトップに戻る

コメント

コロナ騒ぎの中、仕事もなくて貧乏生活を送っている人が多い今の世の中。
昔は、文豪や画家、芸術家など貧乏を肥やしにして、自分を磨いていたのですね。
古今亭志ん生の生きざま、納得できます。


コメントの編集

きたあかり様
おはよう御座います。

大河のいだてんに志ん生が出てきましたね。
若い頃を森山未来、晩年をビートたけしが演じていました。
確かにはちゃめちゃな人生を送ったみたいですね。
こういう人の方が面白いのでしょう。

愛新覚羅

>「なあに。芸人さんから金をもらおうたあ思わないよう」

これが江戸の粋という物でしょうね~。歌にもありましたね、そんな風なの
「芸のためなら女房を泣かす」でしたか(笑)

Re: タイトルなし


chococake55 さん へ

 私は、テレビ報道でしか知りませんが、コロナ騒ぎで収入の道を絶たれてしまった方々、本当に大変だと思います。世の中、どうなってしまうのかと心配です。「貧乏は味わうものだ」と言って芸の肥やしに出来ていた時代もあったのだなあ(´・ω・`)

Re: タイトルなし


 aishinkakuraさん へ

 「いだてん」の森山未来さんとビートたけしさん、なかなか見ごたえがありました。視聴率的にはあまり良くなかったようですが、画期的な、今までにない大河だったのではないでしょうか?
 高座で寝てしまっても、客から「寝かせといてやれよ」って声がかかるシーンがありましたよね。実話のようですが、それほどの愛嬌があったのでしょう。

Re: タイトルなし


 nohohonさん へ

 芸のために泣かされる女房さんは大変ですね・・・・でも、いくら泣かされても、ついていきたかったのかなあ。いろいろなんでしょうけど、女性の覚悟を感じます。

借金は嫌だ

 返さないといけないと思うと、夜も眠れなくなります。だから借金はしません。
 文豪さんは借金だらけの人が多かったと、よく聞きます。樋口一葉なんかひどかったって。

コメントの編集

Re: 借金は嫌だ


 ひねくれくうみんさん へ

 樋口一葉、かなり貧しかったようで、この本で紹介された日記に「銭とよべるもの一銭もなし」とあった気がします。
 アタシも、借金は恐ろしくて、なるべくしないようにと思って、クレジットカードで払うことも躊躇してしまいます。キャッシュレスの時代なのになあ。(´・ω・`)

名前
題名
メールアドレス
WEBサイト
 
コメント
パスワード
  管理者にだけ表示を許可する

このページのトップに戻る

トラックバック

このページのトップに戻る

プロフィール

きたあかり

Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ