わからない日常
2014年06月24日
よく行く百貨店をぶらぶらしていたら、一階から地下食品売り場へ降りる小さな階段をみつけた。
今まで気が付かなかった。こんなところに階段があったんだな。
降りてみる。
デパ地下が好きである。
いつも行く野菜&魚売り場に行こう。
降りたら、違う風景だった。
あれ?
ケーキとかクッキーとか饅頭とか羊羹とか煎餅とか、
色とりどりなかわいらしいお店が並び、
仮面のような化粧をした売り子さんが笑顔で立っている。
いつものデパ地下じゃない。
こんなの見たことない。
ここは、どこなんだろう。
違う。
アタシ、どこに来ちゃったんだろう。
世界がぐるぐる回って、全然知らない土地に来た気がした。
それでも、いいじゃないかと、思った。
床が、ぐにゃぐにゃして歩きにくい気がしたけれど、
右左、上下、よく見て、また歩いてみたら、
いつもの野菜&魚売り場に出た。
大根が198円で売られている。
なんだ、この太さでその値段か、ちょっと高いな。
あああ、戻った。 普段の生活だ。
アタシは知らない階段で地下食品売り場に降り、
あんまり行ったことのない菓子売り場に出て、
戸惑っただけなんだ。
そうだ。
そうか?
もしかしたら、階段を降りたそこは、もう違う世界、パラレルワールドで、
アタシがそれに気が付かないだけかもしれない。
もしかしたら、階段を降りた自分は、もう違う人間で、
以前の自分を忘れちゃっているだけかもしれない。
わからない、
わからないけれど、それで、良い気がした。
もともとの実体をよくわかっていないのである。

コメント
ファンタジーだわ
ファンタジーかSF小説の冒頭を読んでいるような不思議な気分になりました。
北杜夫の小説でそういうの無かったっけな?
私は方向音痴で近眼なので、街中ではいつもとても不安です。
どこにも知っている場所がないのです。
あ、ワタシも!
ワタシも同じような経験あります。
パラレルワールドに入り込んだんですよ、そうだ、そうだ!
辿り着いた先の待ち合わせ場所にいた友人に今、異次元に迷い込んじゃって、ごめん、遅れちゃった、と言ったら
もっとマシな言い訳はないのか呆れられましたが…。
Re: ファンタジーだわ
ぢょん・でんばあさん
コメントありがとうございます。
北杜夫氏、どくとるまんぼうシリーズしか読んだことがありません・・・
だって、楡家、長いって脅かす人がいて・・そうですか
> 北杜夫の小説でそういうの無かったっけな?
題名を教えて~
> どこにも知っている場所がないのです。
知っている場所だと故意に錯覚してみてください。
自宅などで、どうでしょう。
Re: あ、ワタシも!
コリン星人さん
コメントありがとうございます。
> 辿り着いた先の待ち合わせ場所にいた友人に今、異次元に迷い込んじゃって、ごめん、
そんなことを言ってくれる友人、アタシは欲しい。
「その異次元にあなたはまだ、いるみたいよ。ここは異次元。ほ~~~ほほほっ」
と言ってみたい。
百貨店!!!
デパート。。
レインボウさんは百貨店派なんですね!
僕はデパート、、トコトン昭和の臭いの呼び方です。
今、百貨店の方がナウいらしい。
Re: タイトルなし
エルさん
コメントありがとうございます。
ナウい・・・なつかしい言葉です。
デパートより昭和な感じが・・・しますが。
言葉の使い方、どんどん変わりますねえ。
おもしろいなあって思います。