映画「クー嶺街少年殺人事件」: 映画: きたあかり日記
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映画「クー嶺街少年殺人事件」

2021年06月25日

HuluもAmazonプライムも加入しているけれども、時々は近所のTUTAYAに行くことにしています。10年、いや15年以上も、アタシのDVD映画鑑賞生活を支えてくれた恩義があります。つらいことも、映画に夢中になれば忘れられました。ありがとう。TUTAYA!

先日も行き、棚から棚、ブラブラ見て歩くと、店員さんお勧めのコーナーがありました。

「レザボアドックス」とか「テルマ&ルイーズ」とか「スタンド・バイ・ミー」とかが紹介されていまして、それぞれ全て、アタシも大好きな映画ばかりです。その店員さんと是非お友達になりたいものだと思いながら、紹介されているなかで、アタシが観てない映画を数本発見しました。迷いゼロ、即決行動、アドレナリン爆発。ワクワク借りました。どれも大大傑作。店員さんの趣味大賞賛。

そのうちの一本が、

「クー嶺街少年殺人事件」

クーロンチー


台湾映画です。

舞台は、1960年代の台湾、台北。主人公の小四(シャオスー)(チャン・チェン)は、男子中学生。
中国の激動時代の波に押され、上海から渡ってきた一家の、四番目の子供です。
両親、兄、二人の姉、妹とともに暮らしています。
父は公務員ですが、真面目すぎて世渡りがうまくないから出世できず、暮らしは楽でありません。

クーロンチー7
↑ お父さんと歩く小四。お父さんは教育熱心です。

クーロンチー3
↑ 小四の家。日本占領時代に日本人が住んでいた日本家屋に住んでいます。

クーロンチー4
↑ ノスタルジックな室内




少年の青春を、牧歌的な美しい台湾の風景とともに描きながら、

クーロンチー5
↑ クラスメイトのわんぱくたち

クーロンチー6
↑ 憧れのプレスリーを歌う同級生




腐敗した社会情勢とクズな大人と貧しい暮らしに喘ぎ、すさんでいく少年少女の冷たい悲しさがジリジリと映画内の面積を増してきて、かなり怖い映画でした。

入学試験も、職場での出世も、縁故や賄賂で決まり、
お父さんは、その潔癖さから、うまく立ち回れず、共産党とのつながりを疑われ、
突然逮捕され、拷問とも言える取り調べを受けます。

街のチンピラは徒党を組み、グループ同士で対立し、
暴力沙汰には、中学生も巻き込まれていきます。


クーロンチー8
↑ 見えにくくてすみませんが、脇に戦車が走っています。



クーロンチー2
↑ ガールフレンドの小明は、母親と二人暮らしですが、
  その母親は病気がち。住み込みの家政婦をしても追い出され、
  貧しい暮らしをしています。


上映時間4時間という、すんばらしく長い映画でしたが、引き込まれ
長さを感じませんでした。

ラストシーンについて、追記に書きます。




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主人公、小四(シャオスー)は、恋するガールフレンドの小明(シャオミン)が、
生活のために、複数の男と関係を持っていることを知り、傷つき、
小四(シャオスー)をもてあそんだ自身の同級生で友達でもある小馬(シャオマー)を
短刀で刺そうと待ち伏せます。

そこへ、たまたま、小明(シャオミン)が通りかかります。小四(シャオスー)は言います。

「君を馬鹿にさせない。
 僕は全部知っている。僕だけが君を救うことができる。僕は君の希望だよ」

小明(シャオミン)は答えます。
「助ける?私を変えたいのね。結局は他の人と同じ。あなたは違うと思っていたのに。
 私の感情という見返りを求めて、安心したいわけ?自分勝手だわ。
 (私は)この社会と同じ。変わらないのよ。」

動揺した小四(シャオスー)は、小明(シャオミン)を短刀で刺し、殺してしまいます。

様々な見方があるだろうから、アタシの思いが絶対とは言えないけれど、
アタシは、この少女、小明(シャオミン)の気持ちがとても分かる気がします。
彼女は、無償の愛が欲しかったのだと思います。

切ないよ。
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コメント

お〜、なんと奇遇。私も今日公開の台湾映画を観てきたばかり。
でも、私が観たのは「1秒先の彼女」というファンタジーコメディだけどね。
台湾映画、いいよね〜。この機会にいろいろ観て観たくなりました。
あかりちゃんオススメのも・・・4時間?長いなぁ(汗)
・・・いつか時間のある時に観てみたいです。

これは観ないと!と思い続けて…。
公開当時から話題の作品でしたが、
4時間か…(^_^;)
こんなに切ない話だったんですね。

きたあかり様
こんばんは。

このような非娯楽作品で4時間ですと私なら苦痛です。
でも時代背景が私の中学生時代と重なるので興味はあります。

台湾は日本が占領したことがあるのに親日的ですね。
仕事で何回か行きましたがみんな親切でした。
韓国とは大違いです。

愛新覚羅

きたあかりさんの抜粋からの私の勝手な想像ですが、彼女が欲しかったものって公平・公正な世の中でそれがこの映画のテーマのような気がしますが。この内容で4時間の映画を見るのは私には難しそうです(笑)。

4時間

うちでは4時間映画を見続けるのは
むりだわ~。
一人になれる時間がない。
昨日もとうちゃんと有料のチャンネルを
登録しても見合うほど見れないよねと
話したばっかりなんだよね。
私も午後は昼寝してるし、それなのに
夜も眠くなる日が多くて、子供みたいだよ。
でも、良さそうな映画だね。
きたあかりさんの解説で見たつもりになろう。笑

Re: タイトルなし


 さとちん へ

 おお、さとちんも台湾映画を観てきたばかりなのですね~☆
 「1秒先の彼女」面白そう!観たい観たい!
 観に行こうかしら。
 
 この映画、超お勧めですよ~4時間は長いけれど、
 全てのシーンがまるで絵画のように美しく、魅了されました。
 ストーリーもたまらない。
 お時間あるときに是非!

Re: タイトルなし


 バニーマンさん へ

 これから観ようかと思っていらっしゃる方に、
 かなりのネタバレをしてしまい、申し訳ありません。
 映画ファンの間では有名な「幻の名作」なんでしょうか???
 
 確かに4時間は長いです。長いですが、世界観に飲み込まれて堪能できます。
 ブログに紹介しきれなかった登場人物たちの生き様の切なさ。
 その絡み合いも素敵です。
 ぜひ!

Re: タイトルなし


 aishinkakuraさん へ

 4時間です。ネットで調べると、「忍耐力が必要」と言ってる人もいました。
 でもアタシは、全然大丈夫だったなあ。
 映像に映る台湾風景の美しさと、すさんだ人間の精神が
 同時に描かれ、怖かったです。

 台湾の親日、日本は台湾に学校や病院を整備したから?、、、
 有名なところとしては、八田與一の作った烏山頭ダムでしょうか。
 一度、見てみたいです。
  

Re: タイトルなし


 怪しい隣人さん へ

 怪しい隣人さんのおっしゃるとおり、小明が欲しかったのは、本当は、公平公正な世の中だったのかもしれないけれど、彼女自身、それに気がつけなかったのかもしれません。彼女を取り巻く環境がひどすぎて、感覚が麻痺し、前向きな気持ちは消え、あきらめてしまってる。ただ、小四にだけは、そんな彼女の心の叫びを言えたのです。小四はそんな小明を受け止めるには、まだ若すぎました。だって、中学生だよ!ううう、切ない・・・!
 4時間は長いけれど、その価値はありますよ~☆

Re: 4時間


 わんわんママさん へ

 アタシのつたない解説で、見たつもりになろうと思ってくださり
 ありがとうございます。
 これはすごく良い映画だと、自分では思いました。

 4時間連続で見なくても、途中休憩入れながらでも、ぜひ!
 わんわんママさんは、一人になれる時間がないのですね。
 アタシは、娘を朝に送り出したら、自分がパートじゃない日は
 ずっと一人だからなあ。
 めぐまれているのかなあ。

4時間は長いが

 きたあかり様によると、時間を感じさせないほど、引き込まれたとか。見てみたいですね。
 台湾には何回か行っています。古い日本家屋が今も大切使われていて、昔の日本ってこんな感じだったんだなと思うのです。
 あ~、台湾行きてえ!

コメントの編集

Re: 4時間は長いが


  ひねくれくうみんさん へ

 アタシも行きた~い!台湾!
 一回も行ったことないよ。くうみんさんは何度も旅行されていらっしゃるのね。いいなあ。
 コロナが早く収まるといいですね。
 ワクチン接種が進めば、少しは良くなるかしら?
 なんとか株っていうのが拡大すれば、駄目?ううう。

 ということで、台湾気分を味わうために、、この4時間の映画をどぞ!

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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