凪良ゆう「流浪の月」感想: 本: きたあかり日記
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凪良ゆう「流浪の月」感想

2021年08月03日

150ページくらいまで読み進めてから、
ああこれは、ラブストーリーなのか気がつかなかったと、
自分の読解力のなさに嫌気がさしたけれど、
さらにあと100ページほど進んだら、
ああ、そういうわけじゃなくって、もっと深いわけね、
気がつかなかったと、自分の読書力のなさにあきれました。


流浪の月

主人公子の更紗(さらさ)は、自身が小学生のころに父親を病気で亡くし、そのショックから立ち直れない母親は彼氏を作って出て行ったので母親をも亡くし、叔母の家に引き取られた。
居心地の悪いその家には、中二の息子がいた。彼の更紗へのいじめは、性的暴行へと進んでいく。
日々を愕然と過ごしていたところを、公園で偶然会った男子大学生の文に「うちにくる?」と誘われ、文の家について行く。文は、更紗の様子が尋常にない暗さだったのを見抜いていたのだ。文の家は、今までにない快適な住まいだった。二人は仲良く過ごすが、世間では、更紗が行方不明と大騒ぎになってしまった。文と更紗が動物園にパンダを見に行った際、テレビ報道で顔を知られていた更紗を見つけた周囲が通報したことで、文は誘拐監禁容疑で逮捕され、更紗は保護され、二人は引き裂かれる。そして・・


と、そこからがまた、切ないストーリーが進んでいくのですが、このへんでやめときます。



文は、小児性愛という性癖を持つ人だけれども、自分の個性を人に押しつけない、というか、どころか、それに傷つき、戸惑い、否定し、でも、他者には思いやり深い人物として描かれています。更紗に何かしたわけではないのに、周りに勝手に誤解され、犯罪者とされます。
いっぽう、更紗も、誘拐された被害者として、周りから善意の誤解を受けて息苦しく生きていきます。


人それぞれ、個性があり、他者からはわからない何かがある。他者を自分の感覚で決めつけ、それを押しつけるのは傲慢だと思わされました。


2020年本屋大賞受賞のこの作品。図書館に予約してやっと順番になり、借りることが出来ました。
1年半くらい順番待ちしたのかなあ。

とても意味深い小説でしたが、流行の時期に読むべきだったとも思いました。
小説の主張の芯が、少し昔風と思ったのでした。

それは当たってるかしら?ま、当たってなくてもいいのだろう。





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コメント

本屋大賞を貰った作品って、どことなく難しい感じがしますが。。。流浪の月はどうなのでしょうか?
それにしても、1年半も待って読むなんて、きたあかりさんは、根性がありますね。

コメントの編集

1年半くらい順番待ち・・・

お疲れ様です(*^▽^*)

きたあかり様
おはよう御座います。

ややこしい犯罪ですね。どちらにも害はないのですから
犯罪にはならないでしょう。
文がいくら冤罪を主張しても受け入れてもらえないかも
知れませんが更紗がキチンと説明すれば誤解は解けるはずです。
更紗が説明しないのでしょうか?
それはそれで罪だと思います。

愛新覚羅

あかりちゃん、読んだのね。
今度、映画化されますね。
あかりちゃん的キャスティングは誰でした?
私のは見事にハズレていましたが(笑)

買うのに1年半!

 図書館で一年半待つのはよくある話です。しかし、買うのに一年半ってすごいです。もっと印刷速くできなかったのか?
 小児性愛は、悪いことであると思いますが、この本ではそうではないのですね。読んでみたいです。

コメントの編集

Re: タイトルなし


ぽっちゃり婆さん へ

 全然難しくなかったですよ~サクサクとスピード速く読めました★
 1年半待つって、根性があるというか、
 なんとなく予約したままになってたのの順番が来て、
 市図書館からメールをいただけたってだけでして。
 メールまでいただけるなんて、ありがたいことです。(^^)

Re: タイトルなし


 銭右衛門さん へ

 いやいや、なんとなく予約したままになってたのが
 順番来ただけでして・・・。
 ま~読めて良かったです☆

Re: タイトルなし


 aishinkakuraさん へ

 教授はたしか長い文章を読むのがお嫌いだったと。
 それなのに、しっかりブログ記事を読んでくださりありがとうございます。
 
 そうなんです。文が逮捕されたとき更紗がちゃんと言えれば良かったのですが
 当時小学校4年生で、うまく説明できなかったのです。
 成長し、成人してから説明しても、「当時のトラウマから、文に洗脳され
 本当のことを隠している」と勝手に誤解されてしまいます。
 更紗ちゃんは、それで悩むのですよ~。

 と、コメ返も長い・・・!

Re: タイトルなし


 さとちん へ

 そ~ですよね。映画化されるみたいですね。
 さとちんは、誰を誰って予想しましたか????
 アタシは・・・
 う~む、いないなあ。
 文は、マイケル・ジャクソンかなあ。日本人じゃないから駄目かぁ。笑
 さとちんは誰を誰?
 気になるぅ!

Re: 買うのに1年半!


 ひねくれくうみんさん へ

 いやいや、買うのに一年半じゃなくって、借りるのに一年半よ。
 と、予約して数年っての、何冊かあるなあ。笑

 小児性愛、自分の中だけで完結してても、文の中ではそれがつらくて
 悪いことだと思い苦しんでいます。
 機会があれば読んでみてください。
 でもなあ、超お勧めってほどでもないなあ。ごめん!

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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