映画「護られなかった者たちへ」: 映画: きたあかり日記
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映画「護られなかった者たちへ」

2021年10月27日

地元 宮城県内でロケいっぱいやったっていう話だし、
某知人がちょっとお手伝いしたそうだということで、観に行きました、

映画「護られなかった者たちへ」。

が、精神的に、キツイよ、、、観るの、、、でした。

護られなかった

東日本大震災から9年後、宮城県内で
全身を縛られたまま放置され、餓死させられるという凄惨な連続殺人事件が発生した。

宮城県警の笘篠誠一郎(阿部寛)は、被害者たちが共通の元職場を持つことを発見する。そこは、役所の生活保護担当課だった。仕事内容を調べると、保護申請関係で彼らに恨みを持ったと推理される利根泰久(佐藤健)が捜査線上に浮かんだ。利根は、放火の前科があり、刑務所を出所したばかりだった。利根を追う笘篠だったが。。。

護られなかった 2
↑ 利根泰久役の佐藤健


冒頭、東日本大震災直後の、沢山の人が避難している学校の状況が描かれています。
寒さと飢えのなかで、ただ震える人々。
配られた菓子パンを奪い合います。

また、別のシーンでは、体育館にたくさん並べられたご遺体(津波被害者と思われる)を、自分の家族かどうか、遺族が確認していました。
混乱する現場にいらだつ人が、遺族の誘導などを頑張っている市の職員を怒鳴りつけ。。。


もう、勘弁してよ。胸がしめつけられるよ、と、その重さだけでも潰されそうなのに、
ストーリーが進むにつれ、生活保護制度についての重いお話が重なってきました。

佐藤健の見事な演技に救われましたが、、、、。

佐藤健、ホントすごかった。悲しい生い立ちで口下手で、うまく立ち回れないって役どころ。
暗い影がある鋭い目。反対に優しいあったかい目。両方の光が両方ともオーラがあって引きつけられました。どっちの面も持つ複雑な人間。
ううむ。こういう役を演じると日本一、いや、世界一かも。

護られなかった佐藤


今から観に行く方もいらっしゃると思うので、これ以上のネタバレしちゃう感想は、追記に書きます。





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犯人は、生活保護申請を却下した役所の職員を恨み、殺害したわけですが、アタシには、見当違いの逆恨みとしか思えませんでした。

生活保護制度では、まず最初に、親族に扶養できないかどうか照会するという大前提があります。
この映画で、生活に困る老人、遠山けい(倍賞美津子)は、震災時に知り合った利根泰久(佐藤健)に付き添われ、生活保護認定申請に、役所に訪れます。
しかし後日、娘がいることが判明し、役所の職員から、まず最初に、娘さんに扶養できないかどうか照会するよと言われます。遠山けいは、最初の結婚で産んだ娘には、自分は死んだと思わせていました。一度捨てた娘を混乱させたくない、実の親が生活に困っていることを知らせたくないと、申請を取り消します。
生活保護担当の役人は、生活保護を受けられなければ絶対に餓死すると思われるのに、取り消し申請を受け付けるのでした。
結果、遠山けいは、餓死してしまうのですが・・・。

アタシ思うのです。

役所の厚い対応が大事というのでしょうが、どこまでもどこまでも対応するほど、役所には人手も予算もないのでは無いかと。映画にも描かれていましたが、暴力暴言を吐く不正受給者も実際いるでしょう。本人が申請を取り消すというのに、それをしないと餓死すると予測して説得する時間的余裕が、保護担当職員にあるのでしょうか。地方自治体の予算は逼迫しています。予算が逼迫しているということは、それだけ仕事が大変になるということです。少ない予算では、仕事が増えても職員やアルバイトを簡単には増やせないでしょう。ましてや、震災後ならなおさらのこと。一人に厚く対応したら、次の人への対応が遅れてしまうのでは?すぐそこに限界が来ている人へ迅速に対応できなくなってしまう。

そもそも、遠山けいが、国民年金保険料を納めることもできないほど、生活が苦しかった、だから年金は受給できない、それほどの経済的困難に根本的な問題があるのではないでしょうか?
遠山けいは、自分が年金をもらえないとわかっていた。ならばもっと若いときに、もっと働くなどして、もう少し努力できなかったのか。それが出来ないほどの状況だったのか。

遠山けいは、夫婦で小さな理髪店をしていたという設定でした。過疎化で客が減り、店の経営は四苦八苦だったような描写がありました。地方から人がいなくなるような、そんな中央集中の社会を変えられなかった政治にも問題があるのではないでしょうか。

さらに言うと、この犯人は、遠山けいを本当の家族のように思っていたのなら、どうして、餓死するまで放置しておいたのでしょう。役所に生活保護申請さえすれば、あとは役所がお金を振り込んでくれると思ったのでしょうか。却下の可能性を考えなかったのでしょうか。心配じゃないのでしょうか。リスク管理なすぎ。

遠山けいは、老人です。助けてあげたいなら、たまに顔を見に来るとか、たまに食料を送るとか、何かするべきでしょう。

モヤモヤするのですが、原作ではそのへんを丁寧に描いているのかも。
本を買って読むわよ! ← 思うつぼ?    ← 誰の?
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コメント

うわぁ、読んでいると本当にすごく重たそうですね。
佐藤健くん好きだし、阿部ちゃんも清原果耶も他にも
好きな役者が出ているので観たい気がします。(しか〜し、DVDを待とう)
ポスターにある、罪を犯してまで護りたかったものって、何だろう?
気になります〜〜。

きたあかり様
こんばんは。

映画の内容はさて置いて阿部寛が出ているのですね。
仲間由紀恵とのコンビで出ていたトリックシリーズが好きでした。
二枚目なのにとぼけた役が最高です。
テルマエ・ロマエも良かったです。

愛新覚羅

記事を読んでいるだけで、恐ろしい感じになりますね。私はとても見るに堪えないようです。
(勿論本でも無理です。)
本当はこういう問題に目をつむってはいけないのでしょうね。

コメントの編集

精神的に、キツイよ、、、観るの、、、でした。
↑確かにね!
今、日曜劇場の日本沈没・・・
数年前にブラックアウト経験した北海道人的にアレ!!
笑えないよ~( ゚Д゚)
って言った人がいたよ~!

悲惨な話でしたか

本が出ているので、図書館で予約しましたが、そんな内容だとは思っていませんでした。
覚悟が必要な内容ですね。
阿部寛様、お笑いも入っていて、素敵な人ですね。

コメントの編集

Re: タイトルなし


さとちん へ

 はい。すごく重いです。
 映画館で観たから最後まで一気に観られたけれど、
 自宅でDVD鑑賞なら、途中挫折したかも。

 佐藤健、良かったですよ~~~。
 大げさにしていない演技でも、寂しさとか悲しさとか優しさとか
 目のちょっとした表情で伝わってきて、じ~んとしました。
 名優だなあ。
 るろ剣、今更だけどTUTAYAで借りてきてみようっと☆

Re: タイトルなし


 aishinkakuraさん へ

 トリックシリーズは観ていないのですが、
 テルマエ・ロマエ、面白かったですぅ。
 阿部寛が楽しんでいる感じが伝わってきて
 観ているこちらも楽しくなってきました。
 ドラマ「結婚できない男」も良かった☆

 この映画では、はじめから終わりまでず~っと
 深刻な顔をしていました。残念!

Re: タイトルなし


 ぽっちゃり婆さん へ

 目をつむる・・・どうなんでしょう・・・
 アタシとしては、知らないで非難することはイカンなあと思いました。
 描かれていた生活保護制度についてだって、
 手厚い対応をと声をあげることの大切さを映画では訴えかけていたけれど
 その程度だって限度があるのではないかとアタシは思ったのです。
 知ることだなあと思いましたが
 世の中の諸問題の全てに精通するのは時間的に無理。
 自分なりにやれる範囲で、で良いのでは???

Re: タイトルなし


 銭右衛門さん へ

 ドラマ「日本沈没」にそんなシーンがあったのですね!
 なかなか沈没しないので、観るのをやめてしまいまして・・・。
 笑えない、確かにそう。
 東北人としても、観るのつらいかなあ。

Re: 悲惨な話でしたか


 ひねくれくうみんさん へ

 図書館で予約されたのですね!それは!
 アタシも予約しようかしら。
 でも、予約したら、何年後に手元に届くかわからず。
 買おうかと思っていました。
 
 こちらの地方新聞「河北新報」などで連載されていた小説らしく
 売れ行きは好調のようです。

 阿部寛さん、アタシも、お笑いの彼が大好きですが、
 この映画では始終、深刻な表情をしていました。残念!

テレビで放映したら

観ようかなって思う。
佐藤健、そっか~。
良いんだね。

燃えよ剣、思ったりずっと良かった。
燃えよ剣は昔ね、栗塚旭さんが
土方歳三をやってて、栗塚さんしか
土方は無理でしょって思ってたんだけど、
岡田君もよかったです。

あと私はすみっコぐらしを
観に行く予定です。
1作目が号泣だったんだよね。
今度のもなかされるのかな~って
今から楽しみです。

Re: テレビで放映したら


わんわんママさん へ

 は~い。テレビで放映、もししたら是非!
 
 「燃えよ剣」アタシも観に行こうか迷ってるのよ~
 007とどっちにしようかと・・・
 新撰組はあんまし好きじゃ無いのだけれど
 函館戦争のシーンは観たいなあ。
 
 映画が楽しみっていいですね。
 お互いに楽しみましょ~☆

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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