マリオ・プーゾ著「ゴッドファーザー」: 本: きたあかり日記
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マリオ・プーゾ著「ゴッドファーザー」

2022年01月26日

濃い。とにかく濃い。マリオ・プーゾ著「ゴッドバーザー」↓

ゴッドファーザー

アタシ、小説を読むスピードは速い方かと思うんだけれど(そう言われるので)、これは約二ヶ月かかってしまいました。なんてったって、濃いんですもの。

想像してください。

豆板醤は好きでも、1分以内に1㎏食べなさいと言われたら困惑するでしょう?
ニンニクは好きでも、1分以内に10キログラム食べなさいと言われたらつらいでしょう?
白ご飯は好きでも、炊かない生米状態のを1分以内に100㎏食べなさいと言われたら無理でしょう?

そんな感じ。食べ物で表現するのもなんなのだが・・。

イタリアマフィアの抗争、生き残るための戦略、結果バイオレンス、あふれる家族愛、絡み合う男女の恋愛、全て濃く熱く強く生命力に溢れていて圧倒され、倒れそうになり、続けて読んでいると正気を失いそうになるのです。現代に生きるアタシが、どんなに弱っちいか薄いか思わされるの。休み休みじゃないと、進めない。

例えば、コルレオーネ一族(この小説に描かれるイタリア系マフィア)のドンの娘、コニーが、その夫カルロから暴力受ける場面。うう。迫力暴力シーンなので、嫌な方は読まないで飛ばしてください。

コニーが身動きしないでいると、カルロは、彼女のぼってりと張り出したお尻にベルトをたたきつけた。ベルトだと、鋭い痛みのわりに傷がつかないのだ。コニーは戸棚のほうに後ずさりし、彼女の手は、引き出しの中の長いパン切りナイフを探り当てていた。彼女は身構えた。
カルロは笑い声を上げた。「コルレオーネ一族は女までもが人殺しか」そしてベルトを食卓に放りだし、彼女につかみかかった。コニーは、恐ろしい真剣さで股の付け根めがけてナイフを突き出したが、妊娠中の重い身体が動きを鈍らせ、カルロは難なく身をかわした。そして次の瞬間には彼女の手からナイフを取り上げ、それから、皮膚を傷つけないように、ゆっくりとほどよい強さで、彼女の顔を殴りはじめた。彼女は食卓伝いに逃げ回ったが、やがて寝室の中へ追い込まれた。カルロは、手に噛みつこうとするコニーの髪の毛をつかんであおむかせると、痛みと屈辱から彼女が小さな子どものように泣き出すまで、顔を平手で殴りつけた。(中略)それから腕を伸ばすと、妊娠しているコニーの太ももの肉を、彼女が悲鳴を上げて許しを請うまで、思い切りつねり上げた。


ひどいでしょ~。怖いでしょ~。カルロが許せないでしょ~。頭にくるでしょ~。ドキドキして深呼吸が必要でしょ~。
翻訳の一ノ瀬直二氏の文章が良いからとも思うんだけれど、すごい迫力。淡々と、同じくらいの長さの文でつないでて、怖さ倍増。

暴力シーンをあげてしまったけれど、ほかのシーンもいろいろたくさんアレでして、とてもここに紹介できませんな感じで、やられましたよ。大興奮。息が出来ない。びっくりして。

とにかく濃い。上記のような、ストーリーというか出来事全て濃いけれど、登場人物がみんな、コテコテに濃い。上記のマフィア一族たちはもちろんのこと、マフィアに頼ってくる一般人も、出てくる人はみんな濃い。その濃さに、これでもかこれでもか、と噛みつかれ、もう勘弁してくださいと土下座して逃れようとするのだけれど、不思議な魅力に捕らわれて逃げられない読者。

濃い生命力に、人が、ホントに生きるって、どう生きることなんだろう、アタシは、ちゃんと生きているんだろうかと思わされました。
そして、そんなマフィアのドンが、臨終の際に言う言葉は、「人生はこんなにも美しい」

ドン、あなたのそんな人生は、


美しいのね! (゚д゚|||)




書き遅れましたが、この小説は、1945年くらいのアメリカニューヨークで活躍した、イタリア系マフィアのお話です。映画が有名ですよね。迫力の名作映画です。

映画 ゴッド


映画、もう一度観てみよう。


   追伸 ネタバレになりますが、女房に驚愕暴力をふりつづけていたカルロは、数年ののち、二代目のドンになったマイケル(コニーの兄か弟)に殺されます。復讐です。小説内では「復讐という料理は、冷えた頃がいちばんうまいものさ」と書かれています。そうなのか。そうだったのか。




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コメント

小説を読み進む量を食べ物で、それもとんでもない量で表現するのを読んで目を見張りました!そして続く本の内容、まるであかりさんが小説を書いているようなテンポよく理解しやすい内容にまた、ビックリ!脚本?小説?を書きなれていらっしゃる。そんな感じを受けました。

映画は観たけど、、、
嫌だ〜〜!こんなヤクザな、マフィアな暮らしは〜〜!!
時々、某国に生まれ落ちなくてよかったと思うけど
こんな一族に生まれなくてよかったと思わされる内容ですね(汗)
アドレナリン駆け巡るので夜に読んじゃダメねぇ。
読書の時間を選ぶ本だわ(^◇^;)

原作は読んでいませんが、映画も十分濃い作品でしたよね。
監督も出演者も濃すぎる人たちでした(^_^;)
その原作ですからね、そりゃもう!でしょうね。
よく読もうと思いましたよね(笑)

きたあかり様
こんばんは。

カルロは優しいではないですか。跡が残らないように気をつかっているみたいです。
傷をつけたり火傷を負わせないだけましかも知れませんよ。
日本のヤクザならこんなに優しくありません。

映画の主役はマーロン・ブランドでしたね。
はまり役です。映画ではなくテレビで観ました。

愛新覚羅

食べ物での表現

全くわかりません(笑)。

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

ゴッドファーザーね。。。
映画は見ましたが(かなり前)本は読んでいません。
内容はどうですか?
本と映画とでは、だいぶ違うでしょうね。
それにしても、きたあかりさん頑張って読みましたね~。

コメントの編集

映画は有名なので知っています。
小説ですか~!
これ、また良い時間だね!

カルボナーラは好きだけど、どんぶりいっぱいは食べられない。そして私は遅読。
咀嚼しすぎて量はちっとも減らないと思うんだわ。
映画もすごかったけど、本も濃いんですか。
私映画をもう一度見るかと聞かれたら、NO。
暴力シーンが見られない、痛くて。誰かと一緒だったら見られるかもしれないけど、ひとりだと怖くてね。

「レオン」をもう一度見たいんだ。一人じゃ無理とわかってる。

コメントの編集

Re: タイトルなし


nohohonさん へ

 いつもアタシの拙い文章を誉めてくださりありがとうございます。
 その気になっちゃいます。お調子者なので!
 今後ともいっぱい誉めてくださ~い。嬉しいので! なんつって(^_^)

Re: タイトルなし


 さとちん へ

 ホント、どきどきするんですよ。
 暴力シーン、殺人シーン、ラブシーン、どれを読んでも眠れなくなる!
 寝られたとしても、悪夢見そう。笑

 マフィアな暮らしはいやですよね。
 小説内では、そんな暮らしにならざるを得なかったつらい社会情勢も描かれています。今の日本に暮らせて良かったよ・・・!

Re: タイトルなし


 バニーマンさん へ

 映画も素晴らしいですが、原作もすごいです。

>よく読もうと思いましたよね(笑)

 行きつけの市民図書館に展示されていたのです。
 「映画化された小説特集」ってので。
 速攻、借りましたよ。出会いに感謝。
 司書さんありがとう!

Re: タイトルなし


 aishinkakuraさん へ

 日本のやくざがどうかは知りませんが、カルロは充分最低なヤツです。
 わざと夫婦喧嘩をします。妻が妻の兄に電話で連絡するのを見越して。
 案の定、電話をもらった妻の兄は、カ~っとなって妹の家に急ぎ、結果、兄は
 待ち伏せしていた敵対勢力に殺されます。
 カルロは、敵対勢力から金をもらって、妻の兄を陥れたのです。

 ま~そんな説明しなくても、妻に暴力ふるう時点でアウトだとアタシは思います。

>映画の主役はマーロン・ブランドでしたね。
はまり役です。映画ではなくテレビで観ました。

最高でした!はまり役です!

Re: タイトルなし


 ぽっちゃり婆さん へ

 頑張りました~。麻薬のように酔わされました。
 麻薬なんて、どんな感じか知らないけど。笑

 映画と本は、じゃっかん違うというか、
 やはり、映画ではやむを得ずカットした場面がたくさんあるのだと思います。
 
 と、ぜひお読みくださいとは言えません。
 健康に悪そうです。

Re: タイトルなし


 怪しい隣人さん へ

 ごめんなさ~い。
 好きでも沢山一気には飲み込めないと言いたかったのです。笑

Re: マフィアはマフィア


 鍵コメさん へ

 はい。そのとおりです。
 鍵コメさん、その状況はかなり大変です。
 良い方向に進むことをお祈りいたします・・・・

Re: タイトルなし


 銭右衛門さん へ

 ありがとうございます。良い時間でした。
 コロナで自粛な生活がまたはじまりましたので、
 読書にいそしみます☆

Re: タイトルなし


 わすれ草さん へ

 レオン!アタシも大好きでDVD持っています。
 とても良い映画です。愛にあふれてて、切なくて。
 何度観たか数え切れないほどだけれども、、、
 「もう一度観たいけれど、一人じゃ無理」もわかります。
 
 どんな映画でも、暴力シーンはつらいですね。

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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