中野信子著 「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」: 本: きたあかり日記
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中野信子著 「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」

2022年10月07日

脳科学者、中野信子著「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」

シャーデン

シャーデンフロイデ」とは、誰かが失敗した時に思わず沸き起こってしまう喜びの感情のこと。
それは、脳内物質「オキシトシン」が深く関わっている。
「オキシトシン」は、親が子を思う愛情のもととなる幸せホルモンなのであるが、その性質から、集団を壊す変わった人を快く思わない、ついては、その不幸を願う感情と発展してしまうのだ。
集団を壊す、イコール、愛すべき我が子を脅かす脅威だから。


というような本でした。

古来より農耕民族として生きてきた日本人は、協力なくして生活することができないため、個よりも集団を大事にする気風があったと言われています。家族や仲間と接することでオキシトシンが増え、幸福度は高まりますが、一方でそれを守るために、全体を乱す個性的な他者に対しては、快く思わない。

人間の醜いと思われる、その一面を脳科学的に解明したのを読ませてもらうと、知識が無いよりも、自分がどうすべきか、より良く考えられるような気がして、面白く読みました。

そしてこの本、どことなくユーモラスなのです。
笑いを狙っているのかどうなのか、微妙な感じがするのはアタシだけ?
以下、引用します。長いけど、入力してしまいましたので、
時間のある方、よろしければお読みになって~(^_^)

**************

個体の生命より、社会が優先

 極限まで働き続け、結果、死を迎えることになってしまった若い人に関するニュースが立て続けに報道されました。
 よく耳にするのは「俺の若いころはもっと大変だった」という中高年の言葉です。どうもこの言葉の意味を吟味すると、二つの点から、知的水準のやや劣る人の発言のように感じられてしまいます。
 一つには、かつて自分を見えないところでサポートしていた社会状況、会社などのシステム、他者からの好影響に関する考察が欠けている点、もう一つは、いま現在、大変な思いをしている人の「大変さ」を測ることは、ほぼ不可能であるということに、思考が及んでいない点です。
 特に後者については、主観と客観の差異があるために、「もっと大変」というのは研究者でも比較することは難しいことです。第三者が定量化できる基準を導入して、ようやく測れるかどうかというところでしょう。
 これらの点が、想像力と論理的な思考力に、ついにその年になるまで恵まれることがなかった人なのだろうかと、ちょっと悲しい印象を周囲に与えてしまうかもしれません。でも、ご本人は、ご自身の過去を誇らしく思い出すことができるだけの日々を送られているはずで、きっと毎日お幸せなことだろうと想像します。
 良いか悪いかは別として、いずれにしてもあまり知性に優れた人であるとは考えにくい。上司であったとしたら、その程度の能力しか無いのに生き延びてくることができた運のいい人、と捉えることができるかもしれません。そうした観点からは、尊敬に値する人物ということもできましょう。
 決して、頭の良さや鋭さが、生き延びるのに重要なわけではないということを、私たちは肝に銘じなければなりません。
 これまで生き延びてきた、適当なことを言う人々の振る舞いをよく観察し、その鈍さや頭の悪さをひっくるめて、取り入れるべきところは取り入れたほうがよい特筆すべき資質である、と一つ一つ捉えなおす作業が必要だろうと思います。

↑ 笑うところでしょうか???


中野信子氏、お綺麗な方と思います。

nakano.jpg




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コメント

きたあかり様
こんばんは。

中野信子さんはBSの歴史番組の準レギュラーなので
10年くらい前から良く見ています。
10年前と比べて年々綺麗になってきています。
服装も段々派手になってきています。
肝心な論客としても切り口が鋭いのでファンです。

愛新覚羅

本、前回のに比べ面白いようですね。
その、農耕民族が持つ助け合う習性も、今は薄れてきているようです。
都心に住む人しかり、マンション生活をする人しかり、ですね。

コメントの編集

>>全体を乱す個性的な他者に対しては、快く思わない。

この感覚は凄く良くわかります。私には百姓の血が流れているからなんですね。

引用文を読ませて頂いて
一番に頭をよぎったのは
「姑の17歳見た事も無し」という言葉でした。
「自分の若いころは」と言って自慢しても実際にはそれを見た人はいないので
当てにならないということわざなんだそうです。
却って自分の愚かさをさらけ出すような言葉ですね。

Re: タイトルなし


aishinkakuraさん へ

 教授は中野信子氏のファンなのですね!
 アタシも、この本を読んでちょっと好きになりました。
 BSの歴史番組に出演してるのですね。
 チェックしてみます。
 歴史をどう切るのか!

Re: タイトルなし


 ぽっちゃり婆さん へ

 はい。面白く読みました。 読書の秋~(^_^)
 農耕民族が助け合う習性、おっしゃるとおり薄れてきているのに
 人をこき下ろす(SNS等で)は無くなるどころかひどくなっているような!
 人間って、難しい・・・!

Re: タイトルなし


 怪しい隣人さん へ

 わかるんですね~。
 まあ、程度と質にもよるんでしょうが、
 個性も必要で大事なときもあるような???
 難しい・・・!

Re: タイトルなし


 nohohonさん へ

 まあ~~お久しぶりです。お元気でお過ごしでしょうか!

 そして、長文をしっかりお読みくださりありがとうございます。
 「若いころは」は、アタシも娘に対して思ってしまうことが多々あります。
 言わないけど。
 気をつけなければ!

面白そうですね

オキシトシンは、愛情ホルモンだということは知っていましたが、反面、変な奴を敵視する、そんな作用もあるのですね。
日本人の同調圧力が高いというのも、農耕民族であるからなんですね。

私もそういえば、今回の山で、独り言ばかり言っているくせに挨拶をしないおやじが不気味に見えました。
これもオキシトシンのなせるワザでしょうか? 

コメントの編集

Re: 面白そうですね


ひねくれくうみんさん へ

 そう。この本によるとそのようなことが書かれていましたよ~。

>独り言ばかり言っているくせに挨拶をしないおやじ

それは不気味だわよ。オキシトニンの作用が無くても不気味!!!!

こんにちは🌼

私も中野信子先生、好きです。
図書館から中野先生の本を借りて読んだりします。

聡明なだけではなく、きれいだし 話し方が可愛いところも好きです。
ホンマでっかTVなどでよく見かけますが、中野先生が出ていると分かると 見るようにしています📺











Re: タイトルなし


 ウーロンパンダさん へ

 まあ、ウーロンパンダさんも中野信子さんをお好きなのですね☆
 アタシは、テレビではあまり見たこと無いのですが
 (あんまりテレビ見ないから)
 今後は見てみようかなあ。

  ホンマでっかTVをチェックですね。ありがとうございます。

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Author:きたあかり
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夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
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