鴻上尚史「名セリフ」: 本: きたあかり日記
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鴻上尚史「名セリフ」

2022年11月01日

鴻上尚史著「名セリフ」

名セリフ

劇作家であり演出家の鴻上尚史氏が
古今東西の演劇作品を、その名セリフとともにストーリーなど含め
解説、紹介してる本です。
そのウンチク、語りぶりはエッセイみたい、、、。

ロミオとジュリエットのロミオの恋愛遍歴とか

松尾スズキ作「マシーン日記」の恋愛不条理とか、
唐十郎とか、チェーホフとか、三谷幸喜とか別役実とか
バラエティに富んだ、その解説がとても面白く、楽しく読みました。

特に、野田秀樹作「赤鬼」の解説が面白かった。
野田氏作品は、溢れるイメージで紡がれていくとした上で、
(論理的にお話が進まないという意味か?)
鴻上氏の演劇論が述べられています。

以下、抜粋

「(演劇を)つなげるものとしては論理とイメージの他に、言葉と俳優というのもあると思いますよ」
(中略)
「言葉」は「論理」に近く、「俳優」は「イメージ」に近いものです。
大きな意味で論理的につながっていなくても、一行の言葉が、次の展開につながることもあります。
演劇では、その瞬間、その言葉の説得力があれば、次の場へ進むことが可能なのです。
そしてそれは、俳優の力でも可能なのです。論理的に破綻していても、言葉に力がなくても、ただそこに魅力的な俳優がいて、俳優の一言が、物語を紡いでいくことだって演劇にはあるのです。
そして演劇的興奮とは、「論理」だけでも「イメージ」だけでも「言葉」だけでも「俳優」だけでもなく、それらがさまざまな配分で混じり合った一瞬に生まれるのです。

以上、抜粋おわり。   演劇的興奮かあ。かっこいいなあ。


↓鴻上尚史氏。文章かっこいい!

文章がかっこいいです


長く朗読を習っていて、先生の指導で、テンポを速くしたり、声色を変えたり、っていうんをやってるんだけれど、「だから何?」と思うことがあったのです。先生の、作品に対する思い、演出を、生徒がそのままロボットのように再現して、そして生徒は何になるんだ?意味あるのか?と。
でも、上記を読んで、そうだ、それだ!と超納得しました。表現者の人間力って、にじみ出て消えないもので、論理とかイメージとか言葉とかと同等に、操れるようで操れないようで。制御されるようで制御されないようで。そこが面白い。

演劇と朗読は違うけれど、通じるものがあるってね。
朗読って趣味に、また彩りが加わったよ。

また、楽しみます。







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コメント

きたあかり様
こんばんは。

鴻上尚史氏の名前と顔は知っていました。
しかし、何をしている人なのかは知りませんでした。
劇作家であり演出家なのですね。
小説作家ではないかと思っていました。

愛新覚羅

愛新覚羅さんと全く同じで、鴻上尚史って、顔は知っていましたが、何をしている人か、全く知りませんでした。
いや~、そうなのですね、勉強になりました。
目的とする人がいるっていうことは良いことです。

コメントの編集

演劇
さまざまな配分で混じり合った一瞬に生まれるまさに芸術か~(^^)/
勉強になりますっ。

そうだよね

物語もその物語関係なくて
その一言に感動しちゃったり、
なんてこともあるんだよね。
その言い方が好きとかね。

鴻上さんて人生相談やってるよね。
その回答が結構刺さるときがあるよ。

そうですね~

演劇と朗読は違うけど、なるほど通じるところはありますね。
表現力でしょうか。きたあかり様は、きっと、表現するのがうまいんだと思います。だから子供たちに受けるんだと思います。

コメントの編集

Re: タイトルなし


aishinkakuraさん へ

 アタシも、図書館で偶然借りたこの本で初めて知りました。
 そ~なのねって。笑
 日本劇作家協会会長らしいです。おおお。

 他にも著作多数で、人生相談的な本も多いようで
 読んでみようかと思っています。読書の秋!

Re: タイトルなし


 ぽっちゃり婆さん へ

 そうなのです。アタシも知りませんでした。
 図書館で偶然借りたこの本で知りました。
 文章がかっこよく面白く、他の著作も読んでみようと思います。
 

Re: タイトルなし


 銭右衛門さん へ

 丁寧に読んでくださりありがとうございます☆
 アタシも勉強になりました!

Re: そうだよね


 わんわんママさん へ

 人生相談やってるの、アタシ知りませんでした~
 その本も読んでみようと思っています。
 なるほど、結構刺さる時があるのですね。
 楽しみ~。

Re: そうですね~


 ひねくれくうみんさん へ

 表現を誉めてくださりありがとうございます。
 技術力はあるけど(たぶん)(何年も習ってるから)、
 表現力はどうなんだろうなあ。
 日々勉強です。楽しみながら~(^_^)/
 

>>表現者の人間力って、にじみ出て消えないもので、論理とかイメージとか言葉とかと同等に、操れるようで操れないようで。制御されるようで制御されないようで。そこが面白い。

十人十色でそれがおもしろさで楽しさなんですね。コピーした結果であってもそれは優劣ではなく個性なんですね。

Re: タイトルなし


怪しい隣人さん へ

 丁寧に読んでくださりありがとうございます。
 優劣か個性かというと難しい問題の気がしますが、
 個性と思いたいものです。(^_^)/

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Author:きたあかり
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夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
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