図書館法第17条に泣く: 本: きたあかり日記
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図書館法第17条に泣く

2014年07月17日

今、三冊の本を、同時進行で読んでいる。


トーベ・ヤンソン氏の「ムーミンパパの思い出」
 
 ムーミンは、深すぎて感じ入ってしまい、いちいち止まって考えるから、

 なかなか進まない。

  にょろにょろについて、じ~~~と5分考え込んだりする。


山田詠美氏の「Tiny Stories by Amy Yamada」
 
 説明不要の山田詠美さま。短編集である。

 おもしろいのにスタイリッシュ。外国人のカレとの話もある。

 えげつなくておもしろい。声を出して笑える。


有吉佐和子氏の「真砂屋お峰」
 
 コメントにて、元気が出る書、とおっしゃった方がいらした。ありがとう。

 なるほど。で、読んでいる。江戸時代、文化文政の頃の材木屋の話である。

 材木屋に婿養子に入る甚三郎が、いい男である。



これを10ページ、あれを20ページ、そっちを5行、てな感じで読んでいる。

アタシの変な癖なのだが、良い点もある。


アイスクリームはその冷たさで舌を麻痺させ、だんだん甘さを感じなくなるが、

それと同じで同じ本を読みすすめると、慣れてしまい、

夢中になって、その本の文章等の個性を忘れてしまう。

だから、時々他の本の文章を読み、アイスクリームにおけるウエハースのように、

脳みそを我に返させるのだ。


また、

あちこち同時にトリップできる、ジェットコースターみたいな楽しみもある。

上記三作品で言えば、

フィンランドの妖精世界と横浜のクラブと、江戸時代の浅草日本橋を

瞬時に瞬間移動するような感覚を味わえるということ。

これは、ドラえもんかカーク船長くらいにしかできないような、

天狗の荒業を成し遂げているようなもので、めまいが・・・ってのが良い。



三冊とも、市民図書館から借りた。

図書館は、無料である。一冊いくらということはない。

それについて、最近、

ある人から、図書館法で決まっていることを教えられた。


第十七条  公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対する

        いかなる対価をも徴収してはならない。


知らなかった。

そういえば、タダだな。

アタシは、なんだか、じ~~~んとして、涙が出た(本当に出た)。
 


現代社会では、ほとんどの子供が就学年齢になると小学校へ通い、

字を習うことができる。そして、読み書きができるようになる。

そして、字が読めれば、タダで図書館の本を借りることができる。

どんな人も、読書は自由だ。

ということは、本を礎に、知識を得、頭の中で自分を広げていくことが自由なのだ。

最近では「妄想」とかっていうけれど、想像力。



想像力ってのは、

困難にあい、前に進めない、がんじがらめな時でも、

前進を想定し、策を練る、自由な発想を持つ土台になると思う。


痛めつけられ、服従を迫られても、頭の中までは支配されない。


タダっていうことは、そういったことが、万人に開かれているってことだ。

貧しいからって締め出されることはない。


頭の中が自由でいられる土台づくりがタダ。


開かれている。


これは、アタシは、感動した。弱点を突かれた。


自由じゃない経験、また、外された経験がある人はわかってくれると思う。






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コメント

さっそく。

こんにちは。

お勧めをさっそく読んでくださって、なんだか嬉しいわ。

私はと言えば、「寒椿」を買ってきたものの、まだ読んでいない。ごめんなさい。

一つ言い訳させてもらうとすれば、なんだかもったいなくてね。

読んだら終わっちゃいますからね。

Re: さっそく。

ぢょん・でんばあさん

 コメントありがとうございます。

 まだ「真砂屋お峰」、途中なんです。
 おもしろいです。教えていただいて感謝します。
 ほかにも教えてほしいです。
 「寒椿」は、ゆっくりどうぞ。

なるほど

図書館の有難味に納得。自分を広げるチャンスが均等にあるっていうのは恵まれていますよね。
日本に生まれて感謝です。

Re: なるほど

コリン星人さん

 コメントありがとうございます。

 なるほど、と言ってもらえるとありがたいです。
 アタシの考えって、時に、???と思われ、
 人によっては、拒絶反応を起こされるのです。

 ありがとうございます。

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夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
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