鉄の掟
2013年12月05日
職場には、客用の湯飲みやコーヒーカップ、
社員用のマグカップなどを収納する食器棚のような
ものが置かれているが、
ぐちゃぐちゃいろんな物が入っていてパンパンで、
整理整頓したくてたまらないレインボウである。
覗いてみると、
モロゾフのプリンのカップらしきガラスの器がある。
多分、昔、もらったか何かでみんなで食べて、
カップだけ洗ってとっておいてるのだと推理したアタシは、
「あの~これ、置いておいても使わないし、片付けちゃっていいですかあ」
と、先輩女子に聞いてみた。
すると、先輩女子は、急にきっという顔になって
「レインボウさん、ちょっと、いい?
こっちに来て頂戴!」
と、アタシを書類棚の陰に呼んだ。
「これね、どうせ使わないし、客にこれで麦茶を出すわけじゃないし、
捨てていいだろうと、むかし、課長に聞いたことがあるのよ!」
彼女は、今までにない真剣な表情である。プリンカップに何が!
「そしたら、課長ったら、もったいないから、捨てるな、
とっておけっていうのよ!!!!」
彼女は、かなり怒ってきた感じだ。
「アタシとAちゃんはね、反撃して言ったのよ!
これでゼリーかプリンでもつくるんですかあ、
誰もつくりませんよ、捨てましょって」
目がつりあがっている。いつも温厚な彼女なのに!
「そしたら、課長、なんて言ったと思う!!??」
なんて言ったのかしらん。
「俺がつくる って言うのよ!!!き~!
それなのに、今まで全然つくってきてくれないのよ!」
わ~ははははっ
笑ってしまったレインボウである。
彼女は真剣に怒っているのに、後輩のアタシがこんなに
腹を抱えて笑っていいのだろうか。
でも、でも、課長の発言にも、
彼女の「課長がゼリーをつくってきてくれない」に対する怒りにも
おかしくておかしくて、耐えられない、笑うしかない。
食器棚のプリンカップにも歴史あり。
社則以上の掟あり。
そんな深い歴史があるプリンカップをアタシは捨てられない。
わかりました。
アタシが歴史をつくります。
今度、それでゼリーつくってみようっと。
月曜日に持ってきたら、みんなどんな顔するだろう。ひひひひっ
今はゼリーの季節じゃないなあ。ま、いいか。

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コメント
おお!
アイ・アム・レジェンドになるんですね!!
『地球最後の女』になっちゃうんですね!!
うん。そっか!
自分だったら「割っちゃったから捨てちゃいました。」ってやりますね。
もちろん本当には割りません。片付け大変だから。黙ってカップだけ捨てて↑のように言っときます。
Re: おお!
エルさん
コメントありがとうございます。
最後の女?
イヤです。
Re: タイトルなし
カニ様
コメントありがとうございます。
そんな大胆不敵な行動は、あたしにはとてもできそうにありません。
次には自分が捨てられるので。