下重暁子氏「家族という病」: 本: きたあかり日記
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下重暁子氏「家族という病」

2015年05月24日

かなり売れている本だそうで、

我が家で購読している地方新聞でもとりあげられていて、

「家族ほど、しんどいものはない」

という帯の文章にひっかかって購入し読んでみました。

780円(税別)です。

2時間半くらいで読んだから、1時間あたり312円(税別)ですな。

と、そんな計算をしてしまう本でした。←どんなだ?


「私達は家族を選んで生まれてくることはできない。

 産声をあげた時には、枠は決まっている」

「その枠の中で、家族団欒の名の下に、お互いが、よく知ったふりをし、

 愛し合っていると思い込む」

「家族団欒という幻想ではなく、一人ひとりの個人をとり戻すことが、

 ほんとうの家族を知る近道ではないか」

という序章の内容に、大いに共感して読み進めたのですが・・。


家族という病



個性を伸ばすためには、家族に期待してはならず、

夫婦といえども理解しあえることはなく、

家族の事しか話題の無い人はつまらないと言いながら、

軍人であった父が戦後の価値観大変革の中で落ちぶれていく姿に落胆し、

その父について生活を共にし続けた母を糾弾する筆者の行動は、

私には理解できないのでした。


父や母がどう生きるかは、父や母が決めることで、

子どもと言えども、価値観を押し付けることはできないと思います。

軍人として、颯爽とマントを着て出勤する父への尊敬が、

戦後奪われたとしても、

大きな時代の波のなか、彼なりの思いがあったのではないでしょうか。

母だって同じです。

父や母から生き方を強制され、思うように人生を進めない状況なら困りますが、

そうでないなら、良いではないでしょうか。

筆者は、父や母を反面教師として、思うように人生を進めたではないですか。


人間は一人ひとり個性があり、何を良しとするかは違います。

個性を認めようと言いながら、父や母に過度の期待をしてしまう筆者の複雑な心境が

私にはどうも・・わからない。


「黙って自分を愛してくれる者が存在しない家族は、家族とは呼べない」

と、最後のほうで筆者は語っていますが、

それは一つの考え方として、そう思えばいいし、そう思わなければそれでもいい気がします。

愛するってどんなことかって人それぞれ違うしね。

そもそも、「黙って」ってどういうことなんだろう。う~ん。



家族の数だけその様子は違います。

虐待やネグレクト、DVなどは決定的に違いますが、そうでなければ、

自分が思うように家族の中で生きればいいと思います。


知り合いの中には、夫の社会的地位や子供の進学した大学の偏差値の高さが

まるで自分の手柄のように言う人もいますが、

そういう生き方もそれはそれで、、、

その人にとって、それは「愛」なんでしょう。


ちなみに、

私は、夫一人娘二人とアタシ、という家族構成で暮らしていますが、

家族は一体だという思いは薄いです。

あなたとアタシは違う、と当然に思っています。

でもそれは、関係ないわ勝手にして、というのではなくって、

支えながら意見を言いながら、最終的には自分の道は自分で決めてください、

ということです。

娘には

「何を幸せに思うかは人それぞれ違うから、あなたが何を幸せに思うか

アタシにはわかんないかもしれない。自分が思うように進んでネ。

わかんなくなったら相談に乗ります。年とってるぶん、人生経験が少しあるわよん」

と言っています。

娘も、アタシの生き方にとやかく言いません。

言わないけれど、そんなアタシを良いと思っているかどうかはわかりません。

もしかしたら、アタシの生き方が娘にとっては「最悪」かもしれません。

わかりません。

家族の中でアタシがどうなのか、の前にアタシはアタシであって、

完璧は無理だと最初から思ってます。



ということで、筆者と自分は考え方が少し違うなあ、と思わされ、

ということは、同時に、自分はこう思うと思わされているということで、

家族について改めて考えるには良い本と思います。



この本、次の資源回収日に出そうと思ったけれど、思い直して、

近所の公民館図書コーナーに寄付することにします。






↓   読んでくださった方、本当にありがとうございます。

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コメント

こんばんは。

この本の筆者は相当家族というものに対してコンプレックスを持っているように感じました。

でも「選んで生まれてくることはできない」んだから当然でしょ、という感じです、私からしたら。

自分が後悔した面、あるいは自分の親を反面教師として、子供に「私みたいに育ってほしくない」と思う。

たまにその繰り返しなのかもしれないとも思います。

時間を金に換算したお気持ちはわかります(笑)

ん、、言い切っちゃってる本なんだ。。
家族のあり方は、
「こうじゃなくちゃいけない」
なんてないよね。
v-39

考え・・・・

いつも思うけどあかりちゃんて自分の考えしっかり持った人だよね(^ω^)
そしてそれをしっかり話出来る・・・
尊敬できるよね(^0^)/

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Re: タイトルなし


to-na-mo-naさん

> 時間を金に換算したお気持ちはわかります(笑)

 そこをわかっていだだけて嬉しいです。
 記事にするのもどうかなあ、と思って迷ったけれど、あまりに
 モヤモヤして、書いてしまいました。
 でも、
 この本を読んで、おいおい違うだろ、だからなんなんですか!
 あれはダメこれはダメってばかり書いてあって、
 だったらどうするの?ってのがぼんやりしてて・・・ふんっ
 と思ったけれど、そう思うってことは自分の気持ちをはっきり自覚できて
 良かったですよ。(^_^)/

Re: タイトルなし


 エルさん

 そう思います。
 いろいろを許容できる世の中ならいいなと思います。
 でもウチの娘なんて、
 「〇ちゃんちのお母さんはいいなあ。△ちゃんの家はいいなあ」
 ってばっかり言ってんのよ!もぉ!
 「お母さんは変わってる」だって!もぉ!

Re: 考え・・・・


 がちゃぴんさん

 そ、そんな尊敬されるほどのもんじゃあないです・・
 お恥ずかしい。

 でも嬉しいです。
 自分の考えってのを否定ばかりされていたので・・
 ありがとうございます。
 長生きはするものね・・・←何歳だ!

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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