佐野洋子著「シズコさん」: 本: きたあかり日記
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佐野洋子著「シズコさん」

2015年08月18日

さとちんさんにコメントで教えていただいて、

ずっと読みたかったんだけど、やっと読めました!良かった!

シズコさん



作家、佐野洋子さんが、お母様「シズコさん」との確執や和解を描いた

物語です。


4歳のころ、つなごうとした手をふりはらわれ、舌打ちされた日から、

実の母を嫌った洋子さん。

嫁に家を追い出されたその母を、自宅に引き取ったのはいいが、

耐えられなくなり、お金の力でホームへ入所させてしまいます。

母を捨てた、母が嫌いだ、そんな自分を洋子さんは責めます。

自責の念、罪悪感、だそうです。

お母様はやがて、もっと老いて、ボケていきます。

そこでやっと、洋子さんは母を許すことができたそうです。

自責の念から解放され、

父の死後、女手一つで家をたて、

三人の子どもを大学にやった母の手腕を素直に評価しています。



読後、思ったことが「みっつ」ありました。


まず、ひとつ目、

やはり、娘を憎みいじめる母親というのは、珍しくないんだなと。


洋子さんの母親、シズコさんは、幼かった洋子さんに、

キツイ水汲みという労働をさせたり、冷たい水でオシメを洗わせたり、

ひどい仕打ちをします。


アタシの母親もひどいもので、ブログで時々愚痴ったりしていますが、

そうなんだなあと、珍しくないんだなあと、確信しました。


時代が違うので、アタシは水汲みもオシメ洗いもしませんでしたが、

洗濯は大変でした。


母は、アタシと妹の洗濯物になんて、全く注意をはらいませんでした。

もちろん、私は自分で自分のを洗いましたが、

困ったのは、洗濯機が壊れていたことでした。

ジーパンもセーラー服も体操着もバスタオルも、全て手で洗いました。

母に洗濯機購入をお願いしましたが無視されました。

母は、

豪華なステレオセットや自分の衣裳部屋や大きな自分の車にはお金をかけましたが、

洗濯機は買いませんでした。

かろうじて、脱水だけは出来た洗濯機に助けられましたし、

当時はそれが当たり前でしたが、

後年、友達たちが、親に洗濯をしてもらっていたと知り、愕然としました。


洗濯の仕方も、母親に教わったわけではなく、小学校の家庭科の時間に知りました。

本間先生ありがとう。


洗剤も、母親が在庫を考えてくれることはなく、

工面したお金で自分がヤマザワで買いました。

いつもお金がきびし~アタシでした。


そして、二つ目。

洋子さんは、お母さんを愛せないことを気にしていましたが、

それは、気にしなくていいのではないかと。


いろんな親がいます。

多く報道されますが、虐待やネグレクトで命を落とす子どもさえいます。

命の危険さえあるのに、そんな状況に陥れた親を愛せというのでしょうか。

できなくていいと思います。

親が子を愛せないのです。悲しいことだけれど、愛するとか愛さないとかは、

自分でどうこうできるものでもなく、いいんですよ、自然で。



そして肝心なみっつめ。

洋子さんのお母様は、洋子さんを大学に進学させています。

いくら幼いころにいじめたって、要(かなめ)はきっちり押さえていると思います。

洋子さん、その時もう、母親に感謝し、愛してあげて良かったのでは?

強く思いました。


経済的に苦しくっても、娘の希望を実現させてあげ、

更に、娘が働くようになってからなど、自由にさせてあげているお母さん。

自由に生きさせてあげる事、これが親の愛情でなくてなんでしょう。


親にがんじがらめにされたこと、これはアタシが一生親を許せないことです。

本来であれば、自分の将来を考えるべき高校生の時代に、

アタシは、修学旅行や教科書や部活の費用を親に責められ、でもどうしようもなく、

天を呪って泣いているばかりでした。

かろうじて出した自分の進学希望も、親とその男に却下されました。


どんなに冷たくされたって、いじめられたって、好きなように生きることを応援してくれたなら、

感謝すると思います。

もし、自分の希望がかなえられなくても、それがどうしようもない理由があるものなら、

家の事情だからとあきらめ、親のことも責めないでしょう。


好きなことを出来なかったのは、親の勝手で傲慢な生き方の犠牲で、

だからアタシの一生の悔いで、だから恨みます。


洋子さんは、年老いた母の子どものようになった様子を見て、

母を認めることができましたが、

アタシは、

そういうことで出来そうもないのでした。


洋子さんのお母様はちゃんとしていた。でもアタシのはそうじゃあない。


でも、それはそれでそうなんでしょう。

そうなんだ、と、確信できた、この本に感謝します。


自分の子育て、注意しなくちゃ~。




↓   読んでくださった方、本当にありがとうございます。

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コメント

No title

そっかぁ、いろいろ大変だったんですね・・。わたしは息子には昔からいろんな思いがあって親子なのにいまいちしっくりした関係ではございません(ブログにもでてこないでしょ)
今はあかりさんと娘さんと絶好調の感じがブログからあふれでてますよ♪

考え・・・・

母と娘の確執結構多いんだね(´Д`;)
あかりちゃんの言うとおり洋子さんの母親は
洋子さんの希望の大学進学をさせてくれ
希望を叶えさせてくれた時点で考えても良かったんだと思う・・・・

あかりちゃんは自分の思ったまま考えたままで生きればいいと思うよ。
人それぞれの生き方で考えが変わるもんね(^o^)/
前あかりちゃんがトラウマのことおいらに聞いた時があったけど、おいらも子供時代には継母というトラウマが・・・・
数年前義理妹の所に行って今は平気だけど
この後どうなることやら・・・・
ポックリ逝ってくれることを願ってるんだけど・・・・(´Д`;)

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Re: No title


 keiさん

 母と息子の関係も、難しいのかもしれませんね。
 友人にも、かな~りこじれちゃってる人がいます。
 でもブログを拝見するかぎりだけど、keiさんは優しくて明るい良いお母さんな気がするよ。
 う~ん。

> 今はあかりさんと娘さんと絶好調の感じがブログからあふれでてますよ♪

 以前、微妙な感じになったりしてたんだけど、最近は大丈夫です。
 いつまで大丈夫なのか、心配だけど。

うん、あかりさんは、あかりさんでいいのです。v-218

Re: 考え・・・・


 がちゃぴんさん

 うん、ありがとうございます。
 自分の思ったまま、考えたままに行動したいんだけれど、
 親も年をとり、介護や相続の話が出て、
 難しいです。
 アタシには仲の良い妹が一人いて、助かってますけどね。

> 数年前義理妹の所に行って今は平気だけど
> この後どうなることやら・・・・
> ポックリ逝ってくれることを願ってるんだけど・・・・(´Д`;)

 数年前に行ったということは、それまでは一緒にいらしたんですね!!!
 それは大変です。
 苦労されましたね・・・。つらかったでしょう・・。

 今後のことはアタシの方もツラいです。
 お互い、アクティブに行動して美味しいものを沢山食べて、
 元気な気持になれるように、がんばりましょう。(^o^)
 
 あ、アタシは、がちゃぴんさんのブログ記事を読んで癒されています。
 晴れ晴れした気持ちになります。(^_^)

この本を読んだのはかな〜り前だったのですが
佐野さん母娘に比べたら私の親子関係なんて屁の河童だと思いました。
それでちょっと慰められたものでしたが
上には上がいましたね。
あかりちゃんのお母さんとの関係の方が凄まじいね(汗
だけど、どうしてあかりちゃんのお母さんはそんなかんじなんだろう?
お母さんのお母さん(おばあさん)とも良好ではなかったんでしょ?
一般的に自分が親と良い関係を築けなかった場合
自分と娘はそうならないようにしようとするものでは?
お母さんの人格形成の過程で何かあったのかしら。
なんだかあかりちゃんのお母さんのことが気になる私です。

ともかく、あかりちゃんとお嬢さん達の関係は良好そのものだよ。
先日、大学生の娘さんが反抗期もなく育ったという方と話をしましたが
そっちの方がシンジラレナイ、大丈夫?と心配になっちゃったよ。
のびのびと親子喧嘩できるあかりちゃん母娘は健全だってば☆安心してネ!

Re: タイトルなし


エルさん

 ありがとうございます。
 肯定してもらえると嬉しいです。
 このまま突き進みます。
 
 エルさんもエルさんでネ☆

Re: タイトルなし


 さとちんさん

 まずはお礼!
 ありがとうございます。
 この本を教えてくれて!ありがとうございます!

 いろんな親子がいるんだなあ、親だって人間だし、個性がありますもんね。
 と、やっぱり納得でき、良かったです。

 あ、それから、洋子さんがお姑さんから
 「3年子無きは去れって言えて、昔は良かった!」
 と言われるクダリがあったでしょ。あれ、そのまんまアタシも言われてて、
 世の中のお姑さんは、こういう最低な発言をするんだなあって思って笑いました。ははは。

 母は、ああいう性格なんですね。
 離婚した憎い男とそっくりの長女(アタシ)が、憎くて仕方なかったんでしょう。
 「義務で育てている。ああ迷惑」
 と何度言われたことか。
 そのたびに「はい」と返事をしていたあかりでした。

 他にもいっぱいスゴイことあるのよ~。
 洗濯のことだけ書いたけれど、食べ物のこととか着るもののこととか。
 この際だからブログ記事にしていいかなあ。

 でも、アタシ以上に虐待されて育った人もたくさんいます。
 上には上がいる・・・・。

 娘とアタシのこと、健全と言ってもらえてありがたいです。
 大丈夫かなあ。
 甘やかしすぎのような気もするのよね。
 普通がわかんないから、アタシ・・・<m(__)m>

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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