エーリッヒ・ショイルマン「パパラギ」: 本: きたあかり日記
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エーリッヒ・ショイルマン「パパラギ」

2016年01月17日

「パパラギ」は1920年にドイツのエーリッヒ・ショイルマンさんが発表した本です。

南海サモアの酋長ツイアビさんの演説を、

エーリッヒ・ショイルマンさんが訳し、まとめたものとされています。


ヨーロッパ各地を旅して文明人たちを多く見、そして感じたことについて、

ツイアビさんは批判的に語っています。


(エーリッヒ・ショイルマンさんが創作したという説もありますが、

 ここでもアタシの中でも、言及しないことにします)



パパラギ

パパラギとは、ツイアビさんらから見た白人(ヨーロッパの人々らしい)を意味します。


ツイアビさんは、


パパラギが

洋服を着ることを批判し、体へ光が届かなくて、やつれて青白いと言い、


パパラギの

物欲を批判し、物がたくさんなければ暮らしていけないのは、貧しいからだと言い、


パパラギ社会を支配する

貨幣制度をも批判し、お金で人は幸せにならないと言い、


パパラギ都市の

建物の建築様式や都市道路については、

日もなく光もなく風もなく、日当たりが悪いと嘆きます。



読んでいて、なるほどその通りと思えない箇所もたくさんありまました。

だって、ツイアビさんが暮らしていたところとヨーロッパは気候風土が違うでしょ。

服を着なくちゃ、冬は寒いわよ。

物欲、それを持たなくてもいいほど、温暖な平和に暮らせるわけじゃないし。



でも、ところどころ、自分が全く思いもよらなかった考え方に、

うならされるところもありました。


いろいろあるんだけれど、特に感じたのは「時間」に関する演説。


ちょっと抜粋

時間のこの叫びが響き渡ると、パパラギは嘆く。「ああ、何ということだ。もう一時間が

過ぎてしまった」。そしてたいてい、大きな悩みでもあるかのように悲しそうな顔をする。

ちょうどそのとき、また新しい一時間がはじまっているというのに。

(中略)

パパラギは時間をどういうものかを知らず、理解もしていない。それゆえ

彼らの野蛮な風習によって、時間を虐待している。




時間は、有限の、与えられるものではなく、ただそこにあるものってことかな??

時間に追い立てられる暮らしじゃなくって、

ある時間を有意義に使おうってことかな??


ツイアビさんの主張は、そんなふうに、

そうじゃないと思ったり、なるほどそうかと思ったり、

なんだけど、

それ以上にこの本について思うのは、

今までの自分の当たり前な価値観が

他から見ればびっくりぽんな変なことかもしれないなってこと。

他からの見かたを知るのは、面白く興味深いということ。


この本が、初出版されてから60年も経ってから、またブームになったりしてるのも

そこかと思います。


年を取り、経験を積んでいき、ついついガチガチに固まってしまう頭。

アタシは、そんなふうになっちゃってる自分をよくよく感じることがあります。


本等、いろいろ触れて、少しでも柔らかくなれたらなあと思います。





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コメント

この本は昔読みましたよ。
80年代に流行りませんでしたっけ?
またブームになっているの?
でも私読んだけど、内容は覚えていなくて、
あかりちゃんの記事で、あ〜そういえばそんな内容だったな〜と
薄らぼんやり思い出しました。
忘れかけていた何かに気づかせてくれる本に出会うと
得したな〜という気分になるよね。
よかったね、そんな本に出会えて☆

ところで、あかりちゃん!
第一ステージ終了(もうすぐ)、お疲れさま〜!
お嬢さん達、今日はぐっすり眠ってほしいな〜。
この後の第二ステージ(私立や二次試験等)も引き続きがんばってね!

Re: タイトルなし


 さとちん

 うん。
 流行ったのは80年代みたいです。
 今はそうでも・・アタシは、新聞で誰かが紹介してて、
 それで知りました。

 > 忘れかけていた何かに気づかせてくれる本に出会うと
> 得したな〜という気分になるよね。
> よかったね、そんな本に出会えて☆

 人それぞれいろんな考え方があって、
 面白いんだけれど、困ることもあり、、
 そのうち、記事にしてみようかと思ってます(^_^)v

>
> ところで、あかりちゃん!
> 第一ステージ終了(もうすぐ)、お疲れさま〜!
> お嬢さん達、今日はぐっすり眠ってほしいな〜。
> この後の第二ステージ(私立や二次試験等)も引き続きがんばってね!

 いつも気にかけてもらって、本当にありがとう!
 今はセンターの二日目に行ってます。
 明日から自己採点、金曜日までに、国立前期でどこを受けるか決めます。
 ハラハラですが~
 まあ、なるようになるさ。(^_^)v

まずはお疲れ〜

「時間を虐待している」面白い表現ですねー。
酷使している、急ぎすぎている、ってことでしょうか。

明日はこちらも荒れ模様らしい。
大雪だったら免許の更新に行ってこよう。

コメントの編集

Re: まずはお疲れ〜


 ケフコタカハシさん

 > 「時間を虐待している」面白い表現ですねー。
> 酷使している、急ぎすぎている、ってことでしょうか。

 時間がそこにあるってことを感謝して、
 時間を尊重すべきってことかなあ。
 確かに、面白い表現ですね。

>
> 明日はこちらも荒れ模様らしい。
> 大雪だったら免許の更新に行ってこよう。

 え!
 そちらではそういう考え方になるのね!
 こちらでは「なるべく出かけないようにしよう」
 だけど!
 びっくり。

これは単行本を持っていますよ。

> 他からの見かたを知るのは、面白く興味深いということ。

↑僕らの生活に、何かヒントになるようなこともちょいとあって
おもしろいですよね。

そうそうね'80年代にブームになった時に買ったんでした。
あの頃はバブルの頃で、いま読んだ感想とは違ったかもしれませんね。
忙しくて、モノにあふれた生活に、一服の清涼剤といった感じでしたでしょうか。
いまなら、よく聞く「スローライフ」の提案ということになるかもしれません。

人間が進歩をめざす生き物である限り、いつの時代にも読まれる一冊かもですよね。

Re: タイトルなし


つかりこさん

 > そうそうね'80年代にブームになった時に買ったんでした。
> あの頃はバブルの頃で、いま読んだ感想とは違ったかもしれませんね。
> 忙しくて、モノにあふれた生活に、一服の清涼剤といった感じでしたでしょうか。
> いまなら、よく聞く「スローライフ」の提案ということになるかもしれません。

 そっか。バブルのころだったのかぁ。
 だったら、読んでみて、今とは違う感想があったかもしれませんね。
 興味深いです。

>
> 人間が進歩をめざす生き物である限り、いつの時代にも読まれる一冊かもですよね。

 深いですね。
 確かに、そうです。
 進歩することって、何?って思わされましたもん。

 また、何十年か後に読んでみたら、また感想が違うかも~。

読まなくちゃ、とおもいつつ、、読んでません。
今無理そう。失笑))

Re: タイトルなし


 hippoponさん

 今はお忙しくて無理そうですが、
 いつか是非読んでください。
 hippoponさんには是非読んでいただきたい。
 感想もお聞きしたいものです。

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Author:きたあかり
ご訪問ありがとうございます。
夫が単身赴任中で、下の娘と二人暮らしのパート主婦です。暇なはずなのに、なぜか毎日忙しい。謎です。
日々の平凡な家事の事、読んだ本や観た映画のこと、趣味の朗読や絵本読み聞かせのこと、などを記事にしています。

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