村田紗耶香「コンビニ人間」
2016年12月08日
大笑いしました。村田紗耶香氏著「コンビニ人間」を読んで。

言わずと知れた芥川賞受賞作品、それを読んで笑うとは、
崇高なげ~じゅつがわかんないのかアタシは!
とも思いましたが、あの山田詠美巨匠も
「十年以上選考委員を務めてきて、候補作を読んで笑ったのは初めてだった」
とおっしゃってるし、笑っていいのね。ほっ。
それに、山田詠美さまと一緒なんで嬉しいじゃあないの。 大好きよ~ん。
↓ちょっとだけあらすじ。
主人公は、ちょっと変わった38歳女性、恵子さん。
子どもころから「変」でした。
公園で死んでいる小鳥を見て「これ食べよう」と言ってしまい、周りにドン引きされたり。
教室で怒り狂う女性教師に、同級生たちが「やめて」と泣き出すと
なら教師を黙らせようと、走り寄ってスカートとパンツを勢いよく下ろしたり。
一般的な感情も行動も、彼女にとっては理解不能なのです。
でも、そんな彼女も、コンビニのマニュアル化された仕事をすることでだけ、
「世界の正常な部品」と自分を認識できます。
マニュアルどおりに動くのが楽なのでしょうか。
「朝になれば、また私は店員になり、世界の歯車になれる。
そのことだけが、私を正常な人間にしているのだった」
なのです。
順調なコンビニバイト生活でしたが、年をとるにつれ、
正社員として働かないし結婚もしないことで、
まわりから偏見の目で見られるようになります。
そこで彼女のとった行動は・・・。
と、ここからが笑えるんです。
ああ、どう笑えるか書きたい・・・
でも、小説を読まないとわかってもらえない気がする・・・
読んでみてくださ~い☆
アナタは笑うでしょうか。どうかしら。。
恵子さんと、最低男の会話が面白いよ。
そしてラストも、なんとも言えず絶妙なのです。
このラストで、アタシはこう思うのか!と、
この年で自分を発見した気分になりました。
社会に適合できない主人公がとった行動と、
その経験から得ていく確信は、
物語りのラストの盛り上がりの中で、とても奇妙です。
一般的には、受け入れられないでしょう。
でも、常識としては気持ち悪いのですが、
それを、笑いの中で認めていく読者の自分がいたのです。
世の中に迎合するためにコンビニで働いていたはずなのに、
実は・・そうなっちゃってたのね。
いいんだよ。好きに生きて。好きに思って。
良かったね~。ああ、清々しい。奇妙だけど、清々しい。
ラストはきっと、人それぞれ、感想が違うだろうと思います。
またそれもいいんだわよ。
読者を一つの方向にもっていくんじゃなくて、多方面へと散り散りに放り投げる感じ。
爽快です。
おススメよ~!
↓ 最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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コメント
面白かったです
きたあかりさんこんにちは!”コンビニ人間”私も読みました。世の中の人の中には、こんな彼女のような人もいると思って読みました。面白くて一気に読んでしました。こんな視点で物語を書く村田沙耶香さん 次回も楽しみです。
文庫本がでたら読みます。
Re: 面白かったです
tugumi365さん へ
tugumi365さんも読まれたのですね!
大笑いしませんでしたか?アタシは爆笑しました。
それと、心に残っているのは、恵子さんが最低男に、
「周りからの偏見を憎んでいるのに、なぜ周りに合わせようとするのか」
と詰問したシーンです。(↑文章、正確じゃないと思います。すみません)
なあるほど、そうか!と思いました。
ひどい偏見の言葉で自分を傷つける人に合わせて自分を変える必要はないんだな、
自分の信条に生きようって。
ちょっと変わっている恵子さんの視点が新鮮です。
村田紗耶香さんの作品、アタシもいろいろ読んでみたいと思いま~す☆
Re: タイトルなし
ジム兄さん へ
はい!ぜひ!
アタシは、近所の公民館から借りて読みました☆
へぇ〜面白そう!
死んでいる小鳥を見て食べたいとは思わないけど
私も学生の頃、池で泳ぐフリフリした鴨のお尻を見て
美味しそう・・こやつらを獲って食べたら逮捕されるだろうか・・・
とちょくちょく考えていました。
どんだけビンボーだったんだ★
私も文庫本出てたら読みた〜い。
Re: タイトルなし
さとちん へ
ぜひぜひ読んでもらいたいです!
不思議な味がある小説です。
さとちんは、絶対大笑いすると思うわ~
と
> どんだけビンボーだったんだ★
アタシも学生時代ビンボーだったわよ~。
若くて体力はあったけれど、お金の制約が多すぎて、
な~んにも出来なかった気がするなあ。