村田沙耶香「タダイマトビラ」
2017年02月14日
村田沙耶香著「タダイマトビラ」を読みました。「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した村田沙耶香さん、
作家仲間から「クレイジー沙耶香」と呼ばれているそうですが、
納得です。クレイジーです。この本、クレイジーです。クレイジーで素敵です。
以下、「タダイマトビラ」のあらすじ、ネタバレ含みます。

母親からの愛情をもらえないで育った主人公、恵奈ちゃんが、
本物の恋をして、この家を出て家庭を持ち、”本当の家”を作ろうとします。
うまい具合に、高校生になったら大学生の恋人、浩平ができました。
浩平からプロポーズもされました。でも、うっとりと自分に寄りかかる浩平を
恵奈ちゃんは嫌悪します。
「浩平の理想世界の奴隷になって、私は彼の脳の中で窒息していく」
自分が浩平を使って自分の愛情欲を満足させようとしたように、
浩平も自分を奴隷にしようとしていると感じるのです。
そして、全てが破たんしていきます。
恵奈ちゃんは、今までの自分の考え方を訂正修正していきます。
恵奈ちゃんの思いが行きつくところは??
そっからがクレイジーなのよ。 Σ(゚□゚(゚□゚*)
愛情に飢えて育ったヒロインが、家庭つくりに失敗してくという、
当たり前のストーリーが、後半、
その怒涛の村田沙耶香クレイジー節炸裂で急展開し、
とても気持ちよく読めました。
恵奈ちゃんの行きつく先が、、、、びっくり☆
その”びっくり”は、狂った世界なのだけれど、妙に共感でき、
そうだ、そうなんだよ、と応援したくなる独特の味が奇妙です。
ネットで、いろいろな感想を読んでみると、
その急展開が納得できないという意見も多かったけれど、
アタシは、その飛びっぷりが好きだなあ。
恵奈ちゃんは、自分の頭で考えてクレイジー結論を確信していくのです。
恵奈ちゃんにとって、それは正しいのです。
正しい、とは、誰に決められるものでもないのです。自分が決めることなのです。
村田沙耶香さんは、書いていてどんなに気持ちよかっただろうかと想像するだけで
爽快な気分になりました。
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コメント
むむむ、読みてー!
No title
コンビニ人間もある意味では、クレイジーな人が出てきましたね。意外性な展開が面白かったです。この本も面白そうですね。
へぇー、面白そう。
『コンビニ人間』も未読だけど
こっちの方に惹かれるわ〜。
読んでみたい。うん、読んでみよう!
Re: タイトルなし
つかりこさん へ
お~、そう言ってもらえると嬉しいです。
感想を書いたかいがあるというもの。
でもこれねぇ、、、人に勧めていいものかどうか、、、
人間性を疑われそうな、、、
ま、読んでみてくださ~い☆
Re: No title
tugumi365さん へ
クレイジーぶりでは、「コンビニ人間」の上を行っています。
ええええ????なになに???それって!!!
と、ドキドキして面白かったです。
村田沙耶香さんの本、市民図書館で沢山予約してしまいました。
Re: タイトルなし
さとちん へ
おお、読んでみたいと言ってくれてありがとう☆
感想を書いたかいがあるというものですぅ。
大人しく真面目で愛想の良い近所の上品マダムが、
実は大量猟奇殺人犯人だったみたいな味が、、
う~ん、変な例えだ、、、
読んでみて~
つかりこさんへのコメ返でも書いたけれど、
これを人に勧めて、、、人間性を疑われそうな、、