春の雪
2014年03月06日
アタシの住む地方、今日は雪。アタシが子供を産んだのも、こんな早春の雪の季節でした。
産む前、数か月入院しました。
危険な状態だったってのもありますが、事情があって、
入院したかったのです。
アタシは医者に、入院させて頂戴とお願いしました。
医者はアタシに言いました。
「この病院はテレビないし、食事は超まずい。
後になって退院したいっていっても、
退院させてあげないよ、それでもいい?」
アタシは答えました。
「絶対にそんな事は言わない。入院させて!」
医者は入院させてくれました。
当時は、携帯電話もない時代。
で、テレビもないし、
おまけにアタシ以外に産婦人科病棟に入院している人は一人もいないという、
超寂しい状態になりました。
医者は、アタシの様子をよく見に来るようになりました。
ヒマだったのかしら。
会話は弾むことはなく、お互いに、元気ですか?はい、元気です、くらいだったけど、
医者は、自分の私物のCDや本を貸してくれました。
はい、と言って強制的にアタシに貸すのです。
アタシは、毎日毎日、本を読み、音楽を聞き、ただ、ぼーっと窓の外の雪をながめ、
たらたら妊婦生活を送っていると、
そのうち、アタシのほかにも入院してくる妊婦も来て、
いつの間にか、アタシは産婦人科病棟のボスと化し、
新入りはアタシにお菓子などの貢物をするという習慣になってしまい・・・・?
それはいいとして、数か月の入院のあと、雪がじゃんじゃん降る春、アタシは出産したのです。
当然、仲良くなった医者が取り上げてくれると思ったのですが、
医者は、まるで、立会出産時の男親のように隣で掛け声をかけるだけ。
「しっかりしろ、耐えろ、がんばれ、もう一息だ、もう少しだ!」
・・・実際は、助産婦さんががんばってくれました。ありがとう。
産婦人科病棟の看護婦さん全員が歓声をあげてくれ、痛かった出産は終わりました。
医者は、なぜか涙ぐんでいました。
そして
「あなたは、ちょっと痛いとすぐぎゃ~ぎゃ~言って、こらえ性がないねえ」
と嫌味を言って、どっか他の部屋に行きました。
でもそんな、その医者の個性がアタシはすっかり好きになっていたのです。

コメント
こんばんは
いいお医者さんに巡り合いましたねえ。私もそんなお医者さんに巡り合いたかったです。
私のであった医者は、アホたんのくせに、自分は優秀だと信じているから始末が悪い。
いい先生にこれから出会えるといいのですがねえ。
出産、、この話で、ウチの長女の時を思い出しましたw
陣痛が始まっても、なかなか出て来ない長女、、
廊下で待ってる僕の目の前に
分娩の控え室に居るはずの家内が、、
「もう嫌だから、家に帰る!」
…
でした。。
>新入りはアタシにお菓子などの貢物を
>するという習慣になってしまい・・・・?
完全に時代劇の牢名主www
畳何枚も重ねた上にあぐらかいて、、
何か、良い先生だったんですね。(笑)
春、雪の降る日の出産は、レインボウさんにとって忘れられない思い出になりましたね^^
それに、産婦人科病棟のボスになってるあたり、さすがレインボウさん! って感じです。^^;
Re: こんばんは
ひねくれくうみんさん
コメントありがとうございます。
> いい先生にこれから出会えるといいのですがねえ。
ホントだねえ・・・・お医者さんって癖の強い人多い気がするわ~
Re: タイトルなし
エルさん
コメントありがとうございます。
奥さんの出産を廊下で待つなんて、良い夫ですねえ~
「家に帰る!」という奥さんもかわいい~
で、家に帰って出産したのですか?
> 完全に時代劇の牢名主www
> 畳何枚も重ねた上にあぐらかいて
そんな・・・別にアタシはなにもしていないんだけど、
なぜか周りがそういう対応を・・・・
Re: タイトルなし
kumiさん
コメントありがとうございます。
良い先生だったのかしら?アタシは好きでしたけどね!
産婦人科病棟のボスになった理由は、いまだ謎です。
ただ、入院が長かったからだけだと思います。
だって、アタシ、こんなにおとなしいんですもの・・・