村田沙耶香「授乳」感想
2017年03月18日
「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した、話題の村田沙耶香さんのデビュー作にして群像新人文学賞受賞作「授乳」を読んでみました。
クレイジー沙耶香さんに、ついていけませんでした。
たいていのは大丈夫なアタシでも、もぉ、沙耶香さんの感性にはとてもとても。

以下、ネタバレ含む感想です。
主人公は中学三年生の直子。受験期だからと母が勧めて、
火曜日と金曜日に家庭教師の先生に来てもらい、
勉強を教えてもらうことになりました。、
先生は無表情でくらげみたいに透きとおり、無機質という感じのする人。
28歳。大学院生です。
彼は、必要なこと以外、まったく喋りません。
でも、ある日、先生の腕の怪我(自分でやったらしい)から出血しているのを、
直子が偶然みつけ、手当をしてあげたことから、
微妙な関係が生まれていきます。
さて、みなさん、どう展開していくと思いますか?
題名は「授乳」です。
先生と直子が恋に落ち、直子が妊娠、見事に赤ちゃんを産んで授乳。
中学生が母性の喜びに・・・・。
そうじゃありません。村田沙耶香さんですから。
直子が、先生を支配し、先生に授乳していくのです。ゲームと称して。
ね、ついていけないでしょ。ヾ(o´∀`o)ノ
特筆すべきは、直子の母親です。
彼女は、少女のように潔癖な人と描かれています。
夫の洗濯物と自分の洗濯物は、決して一緒に洗いません。
夫が、急に職場の仲間を連れてきて、
「これ、しわくちゃだけど、うちの古女房ちゃんね」
なんて言うのを聞くと、復讐なのか、ゴミ袋の中から取り出した
レタス(排水溝の髪の毛などにまみれていた)を夫の皿に乗せます。
満面の笑みで。
純粋な彼女は、汚い言葉が許せないのです。
直子の授乳はきっと、母性を持たない母親への復讐なのだと思います、アタシは。
その復讐は、母親が母性を持たないことを前提に完成するので、
いざ母親が、母性の片りんを見せると、(←先生と直子の関係を発見すると直子をかばおうとします。)
それをも嫌悪します。
アタシは、母とは違うんだ、母性(=授乳)で人を支配できるんだ、
母より上 なんだ、そう言いたいのでしょうか。
そしてラスト。
このラストが、また、ついていけないのです。グロテスクです。
き、気持ち悪い・・・・。気持ち悪くなりたい人にはお勧めです・・・。
追伸
この作品、市民図書館で予約して借りましたが、他の人の予約が
アタシより先にいっぱい入っていて、借りるまで数週間かかりました。
50人待ちくらいだったかな。
私の利用している市民図書館は、自分の順番にまわってくるまで
あと何人の人の返却を待てばいいか、ネットでわかるようになっています。
パソコンを開いて、「ああ、アタシにまわってくるまで、あと10人だな」てな具合。
この「授乳」、アタシの前の順番の人がなかなか返却しなかったみたいで、
あと一人、となってから、10日以上は待ちました。
誰よ!もぉ!何者?
友達になりたいじゃないの!
ああ、感想を語り合いたい。
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コメント
なんですか、怖いもの見たさのような興味を感じますな。
金払って買うのもしゃくだから、私も図書館で借りますか。何人待ちかな~。
お母さんも直子も周りにいて欲しくない人間です。
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Re: タイトルなし
ひねくれくうみんさん へ
はい。怖いです。
お金を出すのもアレなんで、気が向いたら
図書館で借りてみてください☆
> お母さんも直子も周りにいて欲しくない人間です。
ええ、そういう人が周りにいなくて
ほっとしました・・・(^◇^)